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キセキ再会編 18
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「今回はありがとうございました」
僕が頭を下げると、みなさんは苦笑した。
「別にいいよ。……償いでもあったしね」
「償い?」
僕がそう聞くと、赤司くんは頷く。
「あぁ。これくらいしか、僕たちにはできないからね」
「そんなことないです。皆さんとまた仲良く話すことができた。それが、一番の嬉しいことです」
「テツヤ……」
にこりと笑うと、黄瀬くんが目を覆いました。
「また泣いてるんですか?」
「だぁってぇ……うぅ……」
ハンカチを渡すと、さらに黄瀬くんは泣きました。
「ご、ごめ……ごめん……。ほんと……ごめんなさいぃ……うわぁ……」
「もういいですって」
「いや、いや謝らせてくれ」
赤司くんがそう言うと、全員が頭を下げた。
「「「「「すみませんでした」」」」」
「皆さん……」
「許してもらえるとは思ってないよ。僕たちは途轍もなく酷いことをした。テツヤを殺してしまったんだ。だから、これからもできる限りはテツヤを助けたい」
「ありがとうございます。でも、そこまで背負わなくていいですよ」
僕は、皆さんを見回して言う。
「できれば、またあのときのように、仲良くしたいです。……ダメ、ですか?」
「するするする! するっスよ!」
「当たり前だろ。テツの頼みなんだからよ」
「当然なのだよ」
「黒ちんとお菓子食べる〜」
「ありがとう、テツヤ」
「よかったです」
安心して笑うと、なぜか皆さん顔を覆った。
「どうかしました?」
「なんでこんな天使に酷いことしたのかと後悔しているだけだよ」
赤司くんの言葉に頷くキセキ。
「意味がわかりません」
「まぁまぁ、怒らないで」
こうやって、みんなで笑える。
その幸せを、もう一度と、何度願っただろう。
時間がかかった。
ものすごい時間がかかった。
でも、ようやく取り戻すことができた。
僕はいま、すごく幸せです。
しばらくして、皆さんは恋人と帰って行きました。
キセキ再会編 END
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