アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1
-
ピンポーン
「はいはい」
今日は日曜日。
明日は休みだからといって昨日の夜に無理をしすぎたせいで腰に鈍い痛みが走る。
だるさを感じながらも重いからだを引きずってドアを開ける。
「こんにちは!向かいに引っ越してきました松原です。これ、よかったらどうぞ」
そう言って差し出された四角い箱をもらう。
「あ、どうも。片山です」
我ながらそっけないとは思うが、そこに立っていた人の良さそうなオバサンは気にするそぶりは見せなかった。
「今は親御さんはいらっしゃらないんですか?」
「あー…、俺、一人暮らししてて……」
「あらまぁ!偉いのねぇ」
うんうん、と感心しているオバサンにどう返せばいいのかわからず黙りこくっていると、あらそうだ!とその人は手をたたいた。
「片山くんはいくつ?」
「え…と、今年で17ですけど」
「やっぱり!うちの子と同い年じゃないの! 高校はどこにいっているの?」
「すぐそこの、桂川高校です」
「本当に?!うちの子もそこに編入させてもらうんだけど、ちょっと面倒見てくれないかな」
「は、はぁ」
「助かるわぁ~!あとでうちの子にも顔を出させるからよろしくね」
それじゃあね、と終始にこにことした松原さんは手を降って去っていった。
部屋に戻るとスマホが点滅してLineが入っていることを知らせていた。
確認してみると、昨日ヤった男だった。
去年の春、あの火事で両親を亡くしてからは保険金と親の貯金を使って生活していた。
しかしどう考えたって金は足りない。
一番稼ぎが良かったのがこれだった。
現金がその場で手に入るから利便性も高い。
が、
〈昨日のすごくよかった。また同じところで待ってる〉
「こいつ……俺が気絶してる間に登録しやがったな」
チッと舌打ちしてこの男をブロックした。
誰が行くかバーーカ。
「はぁ……シャワー浴びよ」
昨日の汚れがまだ残ってる気がしてシャワーを浴びた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 334