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再会と2
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アイツが帰った後、店長はそっと俺に言った。
「…多田くん、裏に戻ってなさい。後は僕に任せて。」
店長は真剣な顔をしていた。
怒ったのかと思ったけど、少し違うようだった。
「店長、すみません。中学の時の嫌いな奴と会っちゃって…煩かったですよね。」
「涙を拭きなさい。」
「……え?」
頬に指を滑らせて気付いた。
俺は泣いていた。
「僕は店の事があるから、側にいれないけど。
1人の方がいいでしょ。落ち着いたら帰っていいよ。」
店長は優しい顔をしていた。
「…はい。すみません。」
店の裏に戻り、俺はさっきの事を思い出していた。
「中学……夏休み……。」
気持ち悪い。
吐き気がする。
もう立っていられなかった。
俺は扉に背中を預けたまま、ズルズルと音を立て床に座り込んだ。
涙はとめどなく溢れ、視界を滲ませた。
…涙なんて流れるだけのものに、なぜ苦しさを思い出す?
過去の記憶は、弱いだけの俺を縛り付け、決して解いてはくれない。
「っ、ヴェ。」
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