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???
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「兄貴?」
「おう!俺の人生の兄貴だ!!男の中の男だ!!」
ガッツポーズするタクミくんとは対照的に、俺はどうにも解せなかった。
アイツが男の中の男?
いや違う。
女々しくてしつこいストーカーだろ。
「高校の時の兄貴すげーんだぞ!!
不良100人に乗り込んで、軽傷で帰ってきた伝説聞くか?!」
「…おま、嘘つくならもっとマシなのつけよ。」
「嘘じゃねぇって!!!」
「いやいや。」
「嘘じゃねぇって言ってるだろ!!殴られてえのか!」
目の前のタクミくんが拳を振り上げた途端、視界が変わった。
床……?
「おい、急に膝の力抜けるなんてどんだけ非力なんだよ…」
膝がじわじわと痛んできた。
「わ、悪かったよ……殴るとか言って。そんなビビんなって。」
タクミくんは罰が悪そうだった。
なんだ、可愛いところもあるじゃないか。
「いや、大丈夫。自分でも不思議なんだけど、膝の力抜けたっていうか…。」
意識を一瞬無くした感覚だ。
「ん。」
親切にも、タクミくんは手を差し伸べてくれた。
けれど、俺はその手を掴むことができなかった。
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