アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
男は女の尻に敷かれる
-
「はよーございます!」
今朝出勤してきたタクミの髪型がおかしい。
「おい、髪の毛………。」
「今日はセットしてきたんすけど、どうっすか!」
重力を無視してツンツン尖った金髪は奇妙な個性を露出していた。
顔はいいのに残念って、既視感しかねぇ。
自信満々にポーズを取るタクミに一言申し付けた。
「派手すぎる。駄目。」
「何すかそれ!!!」
調子に乗りすぎだ。
金髪を許しただけでも感謝してほしいぐらいだ。
「セットするのに時間かかったのに…。」
…そんな分かりやすく落ち込むなよ。
なんだかこっちが悪いみたいじゃないか。
俺はタクミの頭をソッと触った。
すると、彼は猫みたいにビクッと反応した。
「ちょっといじるぞ。」
「…へ、ヘイ。」
痛んだ髪を傷つけないように、手櫛で髪を整える。
タクミの息遣いに緊張を感じる。
人から触られるの苦手なんだろうか。
「よし、完成だ。」
タクミは余計なセットをしない方がいい。
自然な方が映えている。
そして、彼を間近で見ると改めて思った。
……なんていうか、美しいな。
色素が薄い分、金髪が本当に似合う男だ。
「そんな、見んなよ……。」
「あー、ごめん。」
また真っ赤な顔してるな。
赤面症か?
すると突然、タクミは大きな咳払いをし、とある質問を俺に投げかけた。
「………しょ、翔ってさ、兄貴のこと…………どう思ってるわけ?」
それは勿論。
「大嫌い。」
「即答かよ…。」
むしろ即答しないとおかしいだろ。
タクミは再度咳払いをし、また問いかけた。
「………お、……俺は?」
「え、そうだなぁ…。」
第一印象は酷いけど、俺に打ち解けてくれてからのタクミは良いやつに感じる。
本人を目の前にして言うのは、少し照れくさいけど…。
「まぁ、好きな方かな。」
「……っ!」
さっきよりも、顔が赤い。
なんだかこっちまで緊張してきたじゃねえか!
なんだ?この妙な雰囲気。
「あのさ!俺……。」
ドゴッ!!!
「いってええええ………!!!!」
勢いよく扉が開き、扉は鈍い音を立てタクミの頭に激突した。
開けたのは柏原さんだった。
「おはようございます!…タクミさん何してんですか。」
「クソッ…!!ノックしてから入れ…!」
「そんな所にいるタクミさんが悪いんでしょ。はいはい、通りますよー。」
「このアマァ……。」
タクミの方が年上なのに、完全に舐められてるなこれ。
でも、柏原さんに助けられたな。
あの雰囲気は何か危なかった気がする。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
33 / 130