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イベント前日
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イベント前日の定休日。
予約の分より少し多めにデザートを作る。
いつも予約なんて制度使わないのに、まるで人気店になったようで気分が良い。
「俺、何手伝えばいっすか。」
「…えーっと、生クリームを硬めに作ってくれ。」
「了解っす。」
昨日のことがあっても、タクミは普段通りを心掛けているようだった。
それでも俺は、少しぎこちなさを覚えていた。
「…タクミ、大事な話って今じゃ駄目か?」
直球で投げかけた。
…せっかちだろうか?
けれど、俺は早くこの雰囲気から解放されたかった。
「……だ、駄目っす!!あの女もいるし、クリスマスの夜じゃないと。」
「なに話してるんですか?」
「うわぁっ……!」
また柏原さんが、丁度良いタイミングで現れた。
狙ってないよな…?
「店長からの伝言です。いつもは20時閉店ですけど、イブは18時閉店らしいです。」
随分早いな。
「早くねぇか?」
「次の日もイベントやるんですよ!!準備間に合わなくなりますって!」
そんなこんなで、一日中デザート作りをした俺たちはヘトヘト。
最初はタクミのことを気にしていたが、深夜まで作業をしているうちに頭の隅へと消えていった。
当然、作ったものは冷蔵庫に入りきらず、俺の自宅に持ち帰ることにした。
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