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冷たいコトバ
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「…翔ちゃん、帰ろう。」
コイツは俺の腕を力強く握った。
俺の腕は締め付けられるように痛かった。
手を振りほどきたかったけど、そういう雰囲気では無かった。
「……タクミ。」
乾いた声が、乾いた空気に響く。
「お前は青臭い。恋愛ごっこがしたいなら、別の奴にしろ。」
突き放すような言葉に、俺は肝が冷えた。
タクミは項垂れ、吐き捨てられた恐ろしい台詞を反芻しているようだった。
彼の心中は察し難いものだった。
蒼白な顔で立ち竦むタクミを無視して、コイツは俺の手を引いた。
進行方向は俺の自宅だった。
ある程度の時間が経つと、引き摺られていた俺は途中で我に帰った。
「おいっ…!」
「…………。」
「おいっ!!!手を離せっ…!」
「離さない。」
さっきより、痛い。
後で痣になりそうだ。
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