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淀む空気
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「ていうか、何この空気…?みんなどうしたの?」
コイツは店内を見回しながら言う。
いつも空気が読めない男だが、今回ばかりは助かった。
お陰で緊張の糸が切れた。
「こちら、櫻井さん。うちに取材に来たらしい…」
彼女を軽く紹介しておいた。
女はコイツに戸惑いながらも、ペコっとお辞儀をした。
「ふーん。あ、コーヒーをお願いします。」
コイツは全く気にしていない様子で、いつも通りカウンター席へ座った。
そういえば、コイツは身内以外には興味を一切示さない、愛情が極端な男だったな。
「あの…以前、お会いしたことありますよね。」
またかよ、この女。
俺と同じ質問を、コイツに投げかけていた。
そういう趣味があるのか。
「…………えっ、ぼく?」
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