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誕生日パーティー
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「じゃあ…乾杯!」
木製の机の上には、キムチ鍋とワンホールのチョコレートケーキ。
小さな机を囲み、正座して座っている。
4人共、ワイングラスを掲げ、祝杯の言葉を叫んだ。
「っはー!」
勿論、大学生の2人は未成年なので、ワイングラスの中身はジュースである。
葡萄と林檎のジュースは、まるで赤ワインと白ワインのようだ。
「ていうか、何でキムチ鍋なんだ」
「俺が作ってきたっす」
この場に似つかわしくない、赤い色の鍋は異風を放っていた。
まぁ、晩御飯も食べてないし、丁度良いのかもしれない。
「こっちも食べて下さい!」
チョコレートケーキは柏原さんが持参してきてくれた。
チョコが好きだったので、少し嬉しかった。
「…ありがとな」
「いえいえ、誕生日おめでとうございます」
「…………」
さっきから一言も喋らないのは、俺の斜め右に座るコイツだ。
昨日から機嫌を損ねているようで、俺の家に来た時も無言だった。
「兄貴、機嫌直してくださいよ…」
全くそうだ。
せっかく明るい雰囲気の筈が、コイツの所為で台無しだ。
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