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お泊りパーティー
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正午を過ぎた辺りから空腹を感じたので、冷蔵庫の中を確認した。
中には麦茶と干しイカぐらいしかなかった。
「コンビニ行くか」
ハンガーに掛けたジャケットを羽織り、財布を持って玄関の扉を開けた。
ギイイッ
言い忘れてことがあった。
タクミが壊したこの扉は一応直った。
しかし開け閉めの際、こんな風に不気味な音がするようになった。
修理代は断ったけど、やっぱり受け取っておけば良かったかな。
そんな事を考えていた俺は、扉の横で体育座りをする存在に気付くのが遅れた。
「だ、誰だ?」
色素の薄そうな髪の毛に見覚えがある。
その男は顔を上げると、目を細めて笑った。
「翔ちゃん!」
「……お前、いつからここにいた」
「さっき来た所だよ」
嘘なのはすぐに分かった。
俺の住む部屋は二階だが、階段を上がるような足音もしなかった。
足の横には、大きなキャリーバッグもある。
コイツまさか…。
「僕、有給を取りました」
「おい」
「翔ちゃんの為に!」
「おい…!!」
連絡を待っていた俺が馬鹿だった…。
そういえば、コイツは予測不能な男だった。
今回ばかりは頭を抱えた。
「何で前もって連絡しないんだ」
「スマホ、翔ちゃんの家に忘れちゃったの」
「…まじかよ。取り敢えず入れ」
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