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友達2
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あの後、お互いお昼ご飯を食べていないという事だったので、一緒に食材を買いにスーパーへ出かけた。
帰宅してから軽く食べた後、コイツが夕飯を作ってくれることになった。
いつものエプロンを付け、腕捲りをする。準備万端そうだ。
「何作るんだ」
「無難にカレーかなあ」
手持ち無沙汰なので、手伝いを申し出ると、野菜の皮剥きを頼まれた。
しかし玉ねぎの皮を剥いていると、少し問題が起きた。
どこまで剥いて良いんだ…?
てっぺんが少し緑がかった皮を剥きたいが、全て剥くと身が小さくなってしまう。
けれど何となく、緑の部分を残してはいけない気もする。
どっちだ…、どっちを選べばいい。
普段から色んな料理しておけば良かった…。
店のデザートなら作れるのに。
悩む俺に気付いたのか、コイツは近くに寄ってきた。
すると、覆い被さるように後ろに立った。
「…ここの部分はね」
近すぎる。
そう言いたいのに声が出ず、ただ唇を震わせることしかできなかった。
密着してしまうのも狭いキッチンだから仕方ないと思う。
でも、やっぱり近い。
「…ケルセチンっていう栄養があるから、無理に剥かないでいいんだよ」
低音の声が鼓膜に響く度、耳を猫じゃらしでくすぐられるような感覚に陥った。
心臓を掴んで胸部から取り出し、故意に聞かせようとしているみたいだ。
要約すると、普段聞こえないはずの鼓動の音がやけにハッキリ聞こえるのだ。
ぼうっと分かったことは、これは恐怖でもなく、驚きでもないということ。
これは高揚感を掻き立てられる、未知の領域だ。
もし暴いたら、もう引き返せなくなる。
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