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書斎
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俺は、玄関の横にある部屋に足を運んだ。
床と同色の扉を開け、目に飛び込んだのは、数えきれない程の本達だった。
ビジネス書や、小説、画集なんかも置いてある。
壁に沿って並んだ木製の本棚と、それに囲まれるように真ん中に置かれた机と椅子。
読書をする空間としては最高だった。
「すげえな…」
机の上にも何冊か本が積み重なり、読みかけでページが開いた本さえあった。
その読みかけの本を手にし、ページを捲ると、挟まっていた古びた紙を見つけた。
折り目やシミが付いたそれは、普段から栞として使用しているのを感じさせた。
しかし、その紙に描かれた猫の絵は、なんだか見覚えのあるものだった。
「もしかして…これ」
俺の落書きだ。
中学生の頃、教室で描いたことを覚えている。
確か、アイツに頼まれて描いたんだ。
俺は、その時の事を思い出していた。
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