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中学一年生
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入学式の後、体育館からゾロゾロと生徒が並んでそれぞれの教室へ向かった。
教室に着くと、生徒は決められた席に座った。
僕は一番後ろの席だった。
クラスメイトと担任が揃った所で、みんな自己紹介を始めた。
「〇〇です。お笑い芸人が好きです。よろしく!」
新生活に、期待と緊張の空気が漂っていた。
ある生徒は声が震えていたり、ある生徒は調子良く挨拶をして笑いを取ったり、様々だった。
「…多田翔平です」
またある生徒は、名前だけで自己紹介を終わらせた。
一瞬白けた空気になるものの、次の生徒が自己紹介を始めると、それは無くなった。
そんなこんなで、僕に順番が回ってきた。
「仲原春雄です。血液型はA型。えっ〜と、仲良くして下さい」
歯を見せて笑うと、クラスメイトの大半は僕に好印象を持ってくれたようだ。
HRが終わると、僕の席にクラスメイト数人が集まった。
「仲原って言ったよな。宜しく!」
「えっと、中田くんだっけ?」
「ちげーよ!」
「ははっ、ごめん。田中だよね」
「ふふっ、仲原くんおもしろーい!私、未央。宜しくね」
「宜しくね」
母には交流するなと言われたけど、最低限の挨拶くらいは良いだろう。
愛想良くしておかないと、クラスで浮いてしまうかもしれない。
盛り上がった会話の途中で、ある男の子の話題が出た。
「あの一番前の席に座ってた子覚えてる?」
「誰だっけ」
「確か、多田って苗字だったよな。アイツ陰気くせーよな。髪の毛もボサボサだし。誰が髪切ってんだよって」
「あははっ、言い過ぎだって。ねぇ、仲原くん」
「はは…」
多分アレは自分で切ったんだ。
そのせいか後ろの髪は不揃いだった。
元々の癖も相まって、不自然な髪型をしていた。
美容院ぐらい行けば良いのに。
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