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【赤×緑】 部活終わり Part1
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「あちぃ〜…」
真横でタップマンが団扇で顔を扇ぐ。
部活終わり、タップマンが俺の自主練に付き合ってくれるというので教えてもらっていたのがちょうど終わったところ。
「おつかれ〜ありがとねタップマン」
タップマンは暑いらしく、練習着を脱ぎ、上半身裸で団扇を只管扇いでいた。
一方あるにあはもう既に制服に着替えていた。
「いや、別にいいよ。俺も練習したかったしな」
筋肉質なタップの身体に思わず見とれてしまう。
細身なのに、筋肉質。つまり細マッチョということだ。
「んぁ?どした」
視線に気づいたタップマンがドリンクを取り、これ?飲む?と差し出してくる。
違う。俺が見てたのはドリンクじゃなくてタップだよなんて言える訳もなく。
ただお互い無言の時間が過ぎていく。
高校1年生。俺はタップに思いを馳せている。
マセガキだと思われるかもしれないが、俺は本気だ。
「あー…。もうそろ帰るかー」
そう言うとタップは立ち上がり、階段を降りた先のロッカーへと向かって行った。
暑さからなのかわからないが、くらくらする。
タップが前を横切った時、汗の匂いがした。
それでか。それで俺はくらくらしてるのか。
なんだか恥ずかしくなって、頭を抱えていた。
タップマンは部室に入っていったようで、金属製のドアがガチャンと重い音を立てて閉まった音がした。
あるにあは急いで鞄を持って部室のドアを開けた。
すると、タップマンはヘアバンドを頭につけている途中だった。
「うお、びっくりした。あるにあかあ」
タップマンはそう言うと、すぐにそっぽを向いて着替え出した。
人の視線をあまり気にしないタップがここまで気になっているのは珍しいなと思いつつ、特に何も用はないのにタップマンの隣の自分のロッカーを開けた。
すると、シーブリーズの爽やかな香りがして横をちらっと見ると、シーブリーズを上半身に塗りたくっていた。
タップマンは俺より背が10cm以上も高くて、どうしても見上げる形になってしまうのがあまり好きじゃない。
「あるにあ?おーい」
「……あっ、ごめんタップ、なに?」
つい見とれていた。
気づけばタップの端正な顔が目の前にあって、後ずさりしてしまう。眩しい…。
「さっきから俺の方見てるけどなんか俺の顔についてる?」
無表情で額の汗を拭いながら聞いてくるその姿はなんとも欲を掻き立てるような仕草だった。
俺は好きでも、タップは俺の事そういう風には絶対に見てないことはわかってるから、絶対に告白なんかしない。壊れるくらいならこのままがいい。
「…や、なんでもないよ」
目を逸らして、伏し目がちに言う。
「……体調でも悪いの?」
明らかにいつもとは違うあるにあに疑問を持ったのか珍しく深入りしてくる。
あるにあは、少し自己嫌悪に陥りながら、結局何もしていないロッカーを閉じた。
「んーん。…帰ろ」
何故か優しくしてくれるタップに泣きそうになって、必然的に小さな声になる。
タップマンに背を向け、鞄のチャックを開ける。
するとタップマンはあるにあの肩を掴み、むりやり対面するようにした。
「え…」
「…俺、お前になんかした?」
タップマンは特に悲しそうな表情をするでもなく、あるにあに問い掛ける。
「えっ…ち、違うよ。そういうんじゃなくて」
「じゃあどういうの」
タップマンはすかさず聞き入ってくる。
タップマンがこんなに深くまで聞いてくるのはそうそうない。珍しいなと思いつつも、なんて答えればいいかわからず、もごもごしてしまう。
「言いたいことあんならはっきり言って」
ああ。タップマンキレてる。違うんだよ。
今すぐ打ち明けて楽になりたい。けど、打ち明けたらもう、今までの関係ではいられなくなる。悪い意味で。
「………え、と…」
口ごもってしまう。
タップマンの視線があるにあに突き刺さる。痛い。
もう、いいや。これ以上隠し通せない。
「じゃ、あ。言う」
「うん」
あるにあは顔を上げられず、俯いている。
恐怖をただただ感じていた。関係が壊れるのを覚悟して、言うことを決心した。
「俺。タップマンのこと、そういう意味で、好き…なん…だよね…」
終わったと思いながら語尾が段々すぼまっていく。
タップマンの顔が見れない。絶対引いてる。
「…………」
タップマンはさっきから一言も言わないし、動かない。
勇気を出して、顔を見てみることにしたあるにあは、ゆっくりその顔を上げる。
「…………今、こっち…見ないで」
タップマンの顔を見ようとした瞬間、腕で顔を隠された。
そこから覗く耳は真っ赤に染まっていた。
「え…っ、た、タップ…?」
もっと表情を見たくて、更に近づく。
が、タップマンはそれに合わせて後ずさりする。
やがて、タップマンは壁へと追い詰められた。
「タップマン、…その。顔、見せて」
「………もしかして、タップ」
予想が大きく外れたと確信した途端、涙が一筋頬を伝った。
嗚咽が零れる。
「……!あるにあ…。…!」
思わず腕を顔から離してあるにあを慰めにかかる。
あるにあは涙で顔をぐちゃぐちゃにしながらタップマンと目を合わせた。
タップマンの顔は紅く、林檎のようにまでなっていた。
「たっぷまんも、顔真っ赤じゃんかあ…!」
高校1年生にもなって、大泣きするとは思わなかった。
まさかそんな、両思いだなんて。
「…………うん」
タップマンはあるにあの背中をさすった。
やがて、落ち着きを取り戻す。
すると、あるにあは泣いて真っ赤な目を擦りながら
「…んで、タップは俺のこと好きなの…?」
結局のところ、そこが1番知りたかった。
「…秘密。教えない」
「え、お、俺は教えたのに!?」
「お前のは自主的にでしょ。俺は聞かれても答えないから」
ふいっと顔を背けるタップの耳はまだ少し赤かった。
「……俺だって、自惚れたい…」
そう小声で言うと、タップには聞こえていたようで、ずかずかと目の前にやってくると、大きくかがみ込んで、頬にキスをお見舞いされた。
「………つまり、こういう…こと」
された本人もした本人も恥ずかしくなったのか、2人して顔を手で覆った。
タップマン。正直かわいすぎる。キスされたところがじわじわ熱くなってくる。
誰もいないし、いいよねこれくらい。
あるにあはタップマンの肩を掴み、そのまま先程の壁に痛めない程度に押し付け、壁に手をついた。
本当はタップマンより背が高くなきゃうまく決まらないけど、それはもうしょうがない。
「タップ」
「な、なに?」
壁ドンされたことに動揺しているのか、声が震えている。
まだ半裸のタップマンの胸板にそっと手を置き
「…頬じゃなくて、その、唇に、キスしたい…いい?」
なにをするにもタップマン相手だと緊張してしまい、許可を取ってしまう。
「………いーよ」
あるにあは背伸びをして、また、タップマンは少し猫背になり、キスを交わした。
タップマンは離そうとしたが、あるにあはそうはいかなかった。
首の後ろに手を回し、離せないようにした。
そして、今度は了承も取らずに舌を口内に滑り込ませた。
「…っ!?ん、っ……」
でも、不思議とタップマンは嫌がらなかった。
蝉の音もムードに溶かされてただただ水音だけが部屋に響く。
「は、あ…っ…ん、むっ…」
啄むようにタップマンの舌に吸い付くあるにあ。
たまに口内にあるにあの唾液が入り込んで、口の中が俺の唾液とあるにあの唾液と混ざりあってぐちゅぐちゅ鳴る。
舌に吸い付かれると、身体が跳ねる。
「ふ、ぁ…、あふ、にあっ…」
初めてしたキスにうまく対応できず、鼻呼吸ができずにどんどん息が苦しくなっていく。
混ざりあった唾液が口の端から溢れ出て、床にシミをつくった。
「く、ふ…っ」
あるにあの背中を平手でバシバシ叩くと、やっとタップマンの唇から離す。
そこには銀色の糸が引き、双方の興奮を昂らせた。
「た、タップマン、ごめん…」
「いい、けど。突然すぎて…びっくりした」
あるにあはタップマンの腕を引き、傍にあるベンチに優しく押し倒した。
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