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閑話4
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綴は舞が途切れるのをどうにか抑え、京に自分の想いを届けるように舞った。
その中には、無論情欲も混ざっていた。
顔を赤らめながら、どうにか舞を終える。正座をして一礼すると、やっと気が休まるような気がした。
頭の上でパチパチと拍手が聞こえ、綴は顔を上げた。優雅にベッドに座る京が、「素晴らしかった」と微笑んだ。
綴は京の隣に座ると、早鐘のように鳴る心臓をどうにか抑えようと黙っていた。しかし、京はそんなことには一切触れずに、口を開いた。
「美しい舞だった。そういえば、綴の舞を見るのはもう2ヶ月ぶりだな。忙しくて、お座敷に遊びに行けていなかったから」
「……芸事はそんなすぐに上達しないよ」
「でも俺にはわかる。いつもと違ったね。それはやっぱり、毎日稽古を積んでいるからじゃないのか?」
京に問われたことを、回らない頭でどうにか考える。
お師匠様のところへは月に2、3度足を運ぶが、それだけでは上達が見込めない。学業と仕事の両立と、3歳から12歳まで毎日休まず稽古を積んだことを考慮して、寮で毎日自主稽古に取り組むことが妥協案となっているだけだ。
「それともさ」
突然京が声音を低くした。鼓膜をぶるりと震わせるその音に、綴は驚いて京の方を向いた。京の顔は、鼻が触れ合うのではないかというほど近くにある。
「舞っている間、何か違うことを考えていたの?」
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