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本当の気持ち
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違う、違う、違う違う違う違う!!!
『間宮は俺に、なんの興味もないんじゃないかって』
京先輩の声が頭の中に響く。
そんなはずない。そんなはずないんだ。
だって、僕は京先輩のことが好きで、僕を好きになって欲しくて、金扇綴から奪いたくて……。綴先輩が、嫌いで……。
衝動的に学校を抜け出した僕は、寮の自室に逃げるようにして戻った。
京先輩があそこにいるというだけで、自分の信じていたものが崩されていくような気がした。
自室のドアを勢いよく閉めると、そのままへたりこむように座り、俯いて目を閉じた。
京先輩が好き。
じゃあ、どうして?
もう一人の自分が問いかけた。
なんで京先輩を好きになったの?
それは、それは……。
ねぇ、なんで?
言いたくない。その先は言いたくない。
言わないと、ダメでしょ?もう気づいてるんでしょ?
僕は知らない、何も知らない。
自分が矛盾を抱えていることに気づいたくせに。その息苦しさが、僕がもう限界なことを教えてくれているのに。
限界?僕が?
そうだよ。綴先輩が倒れたときに、僕は……。
「……綴さんを失う恐怖に正気でいられなかった……」
そうだよね。僕は部屋に戻っても、綴先輩がこのまま僕の前から姿を消すのではないかと恐れていた。
そう、そうだよ。
その時の僕は、自分が京先輩を好きだということを忘れていた。
そうだ。
もう一回聞くよ? 今度は聞き方を変えようか。僕はどうして、京先輩を好きだと思い込んだの?
京先輩が、京先輩が……僕の好きな綴先輩のものだから。
綴先輩が好きで、好きで好きで好きで!!!
あの人を知るうちに、あの人が、僕にないものを全て持っていたから……僕は……。
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