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年下のライバル
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リレー競走が始まった。
眺めていると、その中にまさかの要がいて驚いた。
運動は好きではないという彼だから、お世辞にも速い走りとは言えない。しかし、一部の男子生徒からは黄色い声が上がる。
「要先輩って、なんかうさぎさんみたいですよね」
冬樹君も大概小動物だが、そんな彼に言われるくらいだから要も相当なのだろう。
最終コーナーに差し掛かり、京は2位でバトンを受け取った。
アンカーは1人200メートルと長い距離を走ることになる。
頑張れ、頑張れ……!!
声に出すのは恥ずかしくて、そう心の中で祈った。
3年生のアンカーを追い越した。その瞬間、ワッと歓声が上がる。
陸上部顔負けの走りでどんどん引き離し、京はぶっちぎりのゴールを決めてみせた。
両手を上げて飛び跳ね、高鳴る心臓を抑えるように胸の前で小刻みに拍手をした。
俺の彼氏はなんてかっこいいんだろう。
後輩らしき生徒からタオルを受け取った京はそれで汗を拭き、肩にかけてキョロキョロと辺りを見回した。
何をしているのか疑問に思っていると、突然見上げられてどきりとする。
目が合うと、京は俺に向かって片手を上げた。
俺はベランダから身を乗り出すようにして、精一杯手を振った。
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