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後ろ向きと君の覚悟
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渋々、というふうに隣に座りながら、それでもあちらから座ってほしいと言われたことが嬉しくて内心少しドキドキしている。
京は納得したように頷くと、ローテーブルの上のリモコンを操作してテレビをつけた。
薄型で大型。羨ましいけれど、いつもこれを一人で見ているのかと思うとちょっとだけ寂しい。
京は適当にチャンネルを変えていった後、動物系番組に落ち着いた。リモコンを横に置くと、ポテッと俺の肩に頭を置く。
疲れているのだろうか。
当たり前か。京は俺と違って、学校にいる間は常に注目の的なのだ。教室での様子はよく知らないが、移動教室の時なんかは京を囲むように人がいる。彼らに対する京の表情が愛想笑いなことを知っている俺からすると、なんだか息がつまりそうな光景だった。
今日の総括も、緊張していないと言いつつストレスだったのかもしれない。
暑苦しいなんて言って押し退けるのは、流石に可哀想だ。
まぁ、意外とこの体勢は収まりが良くて気持ちいいので、このままでいよう。
俺も少しだけ京の頭にもたれるようにして、テレビに映る番組を見ることにした。
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