アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
殺してやる。
-
右肩から血が流れる。
本能的にとっさにサイトを蹴った。
「っぐ!!」
そしてオレも懐から銃を出して構えた。
「アナタにこの私が撃てますか?ベルカ」
「…うるさい!!」
「その顔もスキですよ?泣くなんて、いつも抱いてるときだけなのに…」
「黙れよ…サイト」
いつのまにか泣いていた。
いきなりの家の襲撃。
両親の死。
愛するヒトの裏切り。
オレのココロが壊れるのには十分すぎる材料だった。
「今殺してやるから、動くな」
オレはココロを殺した。
何もかもどーでもよくなった。
そう、どうでもいい。
どーせからっぽなんだから…。
銃をクルンと、回し、引き金を引いた。
しかし、サイトは避けた。
サイトは強い。
オレが勝てるなんて思ってない。
これはオレの最後の抵抗。
撃ちあいは終わらなかった。
もちろんオレも銃の腕はプロ並。
サイトも傷を負っていた。
でも、オレは限界だった。
だから、逃げることにした。
と、言っても、オレに帰る場所なんてもうないのだが…
血が足らず、頭がクラクラする。
窓に寄りかかった。
そして、ふと思った。
窓の下は用水路。
川へと繋がる。
一か八か、オレは運にかけることにした。
だからサイトに言った。
「オレはアンタを許さない。
オレの全てを持って、お前を殺してやる」
そう言って窓ガラスを突き破りオレは用水路に身を投げた。
そして意識を失くして、流れに身を任せた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 224