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「ほお、何のようだ?フォルのガキよ。」
オレは今、ハイベルト当主、エルドさんの
部屋で話をしている。
怖い。
マフィアだけあって、超怖い。
「助けていただき、ホントにありがとうございました。」
「礼はできるんだな。あんなヤツの子供でも。」
きっとオレの父さんのことだろう。
ホント、仲悪いんだな…
何故だろう…
そう思いながらも、
オレは自分の意思を淡々と言った。
「多分、ディオンさんの方から伺っていると思いますが、
オレの家は先日、サイトにより、襲撃を受けて、潰れました。
オレのこの体の傷は全部、サイトによるものです…」
エルゼさんはまっすぐオレのほうを見ていた。
そして黙って話を聞いてくれていた。
「オレはもちろん、サイトが憎いです。
大切なものを奪われて、裏切られて、もう、
仲間だったからとかいう感情は、ないです。」
そう、
もう、いらない。
そんな感情たちは…
必要ない。
「オレが今から生きる目的は、サイトを殺すことです。
ですが、それを決行する前に、
ちゃんと、アイツの本音が聞きたいんです。
なんでこんなことをしたのか、
それが知りたいんです…。
でも、その前に、オレは貴方たちに助けていただいた礼があります。
それをまず、返したいのです…。
なんでも致します。
それをしたら、追い出して頂いてかまいません。」
「…宿とか、どーするんだ?
お前は未成年で、しかも、一人のガキだぞ?
ここを出ても、また、サイトに殺されるだけじゃないのか?」
そう。
その通り。
だいたいからして、今サイトがどこにいるのかも解らない状況で、動くのは、
とても危険なことだ。
でも、一人のオレは、そうするしかない…。
「……でも、それしか方法はないです。」
「じゃあ、こういうのはどうだろう?」
エルゼさんはニコッと笑った。
その笑顔が怖かった。
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