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また…
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ハイデルトの屋敷へ帰ると、
ディオンから、
明日から通う、制服を渡された。
「…ありがと…」
「おう。」
こういう会話だったら、
話せるのにな…
今日は何か喋っても大丈夫かな…?
「あのさ、ディ「悪いな、ベルカ。今から用事があるから、」
またオレの言葉を遮って、ディオンの姿は消えてしまった。
ズキンっ
とココロが痛む…。
「…痛い…」
オレはディオンから受け取った制服を
強く握っていた。
ディオンはオレがキライになっただろうか…
そりゃ、
オレが勝手にサイトと重ねたりしたから
あんなことされて、当然なのに…
そう自分のせいだ。
けど、
こんな関係はいやだ。
オレのココロはサイトによってカラッポにされた。
それを紛れも無く今埋めてくれているのは、
ディオンじゃないか…
少なくとも
慰めてくれたあの日にそう思った。
重ねてはいけないけど、
そんなの似ているアイツが悪い。
けど、ヒトツだけ、
サイトとディオンで違うところがある。
それは、
オレとちゃんと向かい合ってくれているということ。
サイトは
オレに仕えていた。
仕事だから、オレに何も怒らなかったし、
アイツの機嫌が悪かったり、
言葉を遮られたり、
そんなことは一切なかった。
オレのことを
見ていてくれている。
考えてくれる。
自意識過剰かもしれない。
けど、
そう思いたくて仕方が無かった。
だって、
こんな感情。
サイトに裏切られるまで知らなかったから。
裏切りや絶望、喪失感、恨み、
または悲しさや寂しさ。
サイトと一緒でわからなかった感情が
今オレの中にある。
それは、
いいことなのか、
悪いことなのか、オレにはわからないけど、
今、それを知ってよかったって思った。
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