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皆不幸
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それから、
ガーネットさんは我に戻り、
私の治療をしてくれました。
ガーネットさんの精神が
不安定なのは、
屋敷で会った時から、
薄々感づいていました。
だから、
咎めたりしないです。
「すみません…」
「私も、すみません」
静寂だけが
流れた。
「そろそろ、リード様が戻っていますね。サイトさん、行ってください。」
「言われなくても、行きますよ…」
「貴方は顔に出やすいですよ?
気をつけないと、いけませんよお?
特に、リード様は敏感ですから」
「…そうですね…気をつけますよ」
私はそう言って、
リード様を迎えにいった。
「サイトっ」
子供のように私に飛びついてきました。
舞踏会の時とは全然違うな…
こうしていれば、
普通の方なのに、
どうして
こうも、
皆、不幸なのでしょうか?
大切なものを守りたいだけなのに…
「リード様、帰りましょう」
「ああ、そうだなっ」
せめて、
リード様のこの笑顔だけは
守らないといけない。
ベルカを失った今、
私にはそれしかないと思った。
でも、
ベルカ、
私は、
今でも、貴方のことを
愛していますよ…
これは
嘘じゃないです…
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