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番外編 その2
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これは
サイトと出会った時の話。
当時、オレは5歳だった。
父さんや母さんと久々に出かけていた。
家族そろって出掛けていた時、
目の前の車が、
事故を起こした。
オレ達の乗っていた車は、
事故を起こした車を避けて、
止まった。
「やばいぞ、突っ込んでやがる…」
お父さんがそう言って車から降りた、
母さんは、近所の人らに知らせに行っていた。
オレは父さんについて行った。
事故を起こした車はみるも無残に、ぐしゃぐしゃだった。
生存率なんて、ゼロに決まってる…
誰もがそう思っていた。
オレは車体から出ている、子供の手をみた。
その手が微かに動いた。
生きている。
「父さん!まだ生きてる!子供!」
「何!?助けるぞっ」
それからなんとか助け出して、
体はもちろん傷と血だらけ。
「おい、大丈夫かあ!!??」
父さんの呼びかけには答えなかった。
「ねえ、しっかりしてよ…」
オレがそう言って手を握りしめた。
すると彼は手を握り返して、
「っ…は…い…」
と、答えた。
それから眠るようにサイトは意識を手放した。でも、オレの手は離さなかった。
病院で治療を受けて、助かった。
しかし、同乗していたサイトの家族は皆死んでしまった。
目が覚めたサイトは
ただ、ずっと窓の外を眺めていた。
サイトはひとりぼっちになってしまったんだ。
だから、オレは
サイトの病室へ行った。
「…君は…あの時の…」
「生きてて、良かったね、」
「はい、助けていただき、ありがとございます。」
サイトの顔はやっぱり曇っていた。
自分だけが何故助かったのか、
そうおもっているんだろう…
「これから、私はどうしたらいいでしょうかね…君に言っても、私が一人なのには、変わりありませんが…」
彼は無理に笑ってオレに言った。
「じゃあ、ウチにおいでよ。」
「へ?」
「一人は、さみしいでしょ?
だから、オレの家おいで。サイト」
サイトからは涙が流れていた。
サイトはそれから、
オレの家で暮らすようになり、
オレと行動をともにするようになった。
サイトは常に、フォルネーゼのために、尽くしていた。
「私は、この命ある限り、一生貴方に仕えます。特に、ベルカ、貴方には感謝していますよ…ずっと、側でお仕え致します。」
そう言っていた。
その時のサイトは
本当に心の底から感謝しているように見えた。
それから、13年後
サイトはオレの側からいなくなった。
END
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