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言いたいけど…
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なんとなく、
気分が優れなくて、
私はまた散歩をしていました。
すると、
建物の隙間の通路から、なにやら、声が聞こえました。普通の声ではなく、喘いでいる声。しかも、その声は自分のよく知っている声。昔、何度か愛を確かめ合って、今はそばにいることができないけど、とても、大切な人の声。
「…ベルカ?」
私は、すぐさま駆けつけました。
そこには必死に声を殺して犯されていたベルカがいました。
「助けて!」
私とは気づきもしないで、そう叫んでいました。私はその言葉の通り、ベルカ達を犯していた奴らを全員気絶させましたが…
正体に気づいたベルカは私から目を離さず、カタカタと体を震わせていました。
よほど怖かったのでしょうね…
今の今まで、私しか相手してなかったわけですし、ずっと私がそばにいたので、誰からも犯されることはなかったんですから…
でも、
きっとディオンさんとはもうしてるんじゃないでしょうかね…
そう思いながら、私はベルカのはだけたカッターのボタンを丁寧にとめてゆく。
「…っ…サイ…ト…」
ベルカは私にしがみついてきました。
何故だ…
そう思いました。
体はとても震えていて、私は優しく抱きしめました。
「怖かった…お前以外にやられたこと…ないから…」
絞り出すように声を発したベルカの言葉に私は目を開いた。
言葉の意味を返せば、
ディオンさんとはやっていないということ、
私の中で、何か安心した気持ちが強くなった。
「…そりゃそーですよ。今まで、貴方を私が守っていたのですから…」
貴方はすごく繊細な方です。
大切に扱わなければすぐ壊れてしまうガラスのような人ですよ?
貴方自身それを自覚しているかどうか知りませんがね…
ベルカはじっと私をみました。
「何かついていますか?」
ズボンを履かせながら、
ベルカは私に問うた。
「サイトはなんで、あんなことしたんだ?」
「…」
その時のベルカの目は私をまだ何処かで信じていそうな目をしていました。
つい、
本当のことを言ってしまいたくなる
危ない目…
でも、それはダメなんですよ…
貴方には生きて欲しいから…
私は本当のことは
言えないんです…
「だから、言ったじゃですか…貴方を含めて、嫌いだからと…」
許してください…
ベルカ…
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