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長いですよ?
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アデルと名乗る青年はニコニコして、
私の過去を…真実を知ろうとしています。
「…なんなら、
私が何故、ここに入ったか、教えてあげますよ?」
「え…あの。」
アデルは昔話をし始めた。
「私は、実は無実の罪で囚われていましてー、
新聞記者なもので、ちょっと、厄介な事件に巻き込まれてしまいましてねー?
深入りしたから、ちょっと、濡れ衣を着せられてしまいましてー」
「…そんな…」
「ヒトって怖いですよね?
何をしでかすかわからない。簡単に裏切ってしまう。
証拠もないのに、言葉を信じてしまう。
真実が隠れているのに、
知ろうともしない。だから、私は真実しか、
記事にしません。
約束します。
しかも、私、明日から出所なんですよ!」
ですから、アナタを助けることはできますよ!」
「…ダメですよ。
私は、ヒトを殺してるんです。
アナタが真実の新聞を書いても、
何があっても、私が殺したその事実は変えられません。」
「…だから、ちゃんと、一から私に話してください。
憧れのアナタを救いたいだけですよ。」
何故だか、
彼の言葉には逆らえない。
なんでですかね?
「…長いですよ?」
「聞くのは得意です」
私は彼に全てを語った。
何から何までね。
「…と、いうわけですよ。
ね?私は、許される者じゃ…」
ふと、
アデルに目をやると、
アデルは目から涙を流していた。
「…あの、えと、すいません、アデルさん、
なんか私、変な話を…」
「違うんです。」
「はい?」
「…アナタは、被害者ですよ。」
そう言い、
彼は涙を流しました。
この世の中には、
イイヒトがたくさんいるのに、
善も捕まってしまう世の中なんですね。
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