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二人の行き着く場所
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だが高支那は決してタケルを離そうとしない。
まるで自分のモノでもあるかのような一方的な拘束。
それならなぜ――!?
タケルの表情に苦渋の色が浮かぶ。
あの文化祭以来、高支那は明らかにタケルを避けていた。
それがタケルには不安でたまらなかったのだ。
またいつかのように、高支那が自分の前からいなくなってしまうのではないか――
そんな心配がタケルを焦らせていた。
だからこんな時間にこんな場所で、高支那を待ち伏せするような真似をしていたのだ。
冬休みが始まって、高支那の存在が身近に感じられなくなると、余計に居ても立ってもいられなくなったタケルだった。
年末――いつもならこの時期、一緒に過ごすことが当たり前になっていただけに、意図的に自分を避ける高支那に違和感を覚えずにはいられなかった。
そんなタケルの複雑な思いを知ってか知らずか、高支那は無表情のまま、強引にタケルの腕を引き車の方へと足を向ける。
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