アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
二人の行き着く場所
-
高支那が綱を切るのが早いか――
タケルが切られる前に飛び込むのが早いか――
だが、高支那は思ったよりいとも簡単に縄を切り離したのだった。
それを見たタケルは、考える間もなく、おもいっきりジャンプした。
ところが、あと少しの距離が足りなかった。
このままでは谷底へ落ちてしまう。
もうこれまでか――
そう思った時だった。
なんと高支那がタケルの腕をしっかりと掴んでいたのだ。
タケルは片手で崖の端に掴まり、もう片方の手は高支那の助けで、間一髪難から脱することが出来た。
引き上げられたタケルは膝をつき荒い息を吐く。そして涼しい顔をして佇む高支那を睨み上げた。
助けられたとはいえ、高支那の意味不明な行動にどこか苛立ちを覚える。
「何で助けたんだよ」
息を乱しながら声を絞り出すタケル。
すると高支那は無表情のまま近づき、どこか警戒するように身構えたタケルを荒々しく地面へと押し倒し、動きを封じたのだった。
と同時に、高支那の冷めた声が落ちてくる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 120