アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
幽閉
-
二人が山道を登り始めてどれぐらい経っただろうか。
またこうして二人で険しい山道を歩くのは、それこそ何回目になるのだろう。
だが――
今回はいつもと違う。
二度と戻れないのだから…。
見通しの悪い木々の中、高支那はまるで決められた道でもあるかのように進む。いや、ほぼ一本道だから迷いようがないのかもしれない。
歩きながらタケルは考える。
高支那は本当に戻らないつもりなのか――?
タケルの疑問はそこにつきる。
今まで苦境に立たされたことは何回もあったが、戻れなかったことはなかった。
だが、山道を奥へと進むにつれ、タケルの悪い予感は強くなる一方だった。
勘…というものだろうか。
そうこうしているうちに、目の前に石造りの橋が見えてくる。
まさかまた橋をぶっ壊すんじゃないだろうな…と思いながら、タケルは責めるように高支那に視線を向けた。
ところが、高支那はいつの間にか足を止めていて、なぜかタケルの方を真っ直ぐ見つめていた。それに気付き、一瞬ドキリとするタケル。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
11 / 120