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黒い欲望
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タケルは男のどす黒い餓えた欲望に飲み込まれまいと抗った。
男は相手を淫靡な世界に引きずり込むのが巧みであり、そのためだけにタケルを翻弄しているようにも見える。
この男が何者なのか、本当に存在するものなのか、それすらわからないが、高支那と入れ替わるように現れた男――
だが、高支那の持つ闇の部分と、この男が持つ邪気、悪念とはやはり違うように思えた。
それでも、高支那がこの部屋にいないのは確かだ。
では一体どこへ――?
考える間もなく、男の手が、いや指が、更に舌が――喉元へ…
暗闇の中で触られると感覚が鋭くなり、一際感度が高まる。
嫌悪感は半端ないのに、気持ちと体への快楽がまるで別物ででもあるかのように、触れられた部分が熱を帯びていく。
しかしそれは男に感じたわけではないのだろう。
むしろ高支那に犯された余韻があまりに強すぎて、高支那の残像に疼きを覚えている、という感じだ。
感じるのは高支那にだけ。高支那だから…
誰に触れられても、そこにあるのは高支那への溢れる想いだけ…
(―――高支那―――!!)
タケルは思わず心の中で絶叫していた。その瞬間――
渾身の力で男をはね除け、部屋を飛び出したのだった。
高支那の姿を求めて――
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