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高支那はどこへ…
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振り返るまでもない。
あの男だ――
あの男はタケルを執拗に追って来る。
逃げきれるかどうかわからないが、タケルは駆け出した。
また迷路のような通路を迷走する。
だがいつまでも逃げきれないと考えたタケルは、目についた部屋らしき扉を開けた。
幸い鍵は掛かっておらず、中に転がり込むように入るとすぐに扉を閉めて手探りでなんとか鍵を掛ける。
扉を背に座り込んだタケルは、荒い息を整えながら外の様子に耳を傾けた。
………………………………。
何も聞こえない。
靴音、物音、風の音さえ断たれたように辺りは静まり返る。
ところが、一瞬の後――
部屋の隅にボゥ…とランプが灯り、中央に背の高い人影が浮かび上がったのだ。
タケルは目を見開き息を飲んだ。
「高支那……」
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