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高支那はどこへ…
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「ふざけるな!」
高支那のどこまでも身勝手な言動に苛立ちを隠せず思わず声を荒らげる。
「今までどこにいたんだよ!何度も呼んだのに!大体あの男は誰なんだよ!あんたは本当に本物か!?なんでオレの前で何度も消えんだよ!あんな顔して――」
一気に捲し立て、思わず言葉に詰まるタケル。
高支那に当たっても仕方ないとわかっているのに、どうしても消えた時の表情が頭を過るのだ。
そんなタケルの頬に、不意に高支那の大きな手が優しく触れる。
「冷たいな。だいぶ体が冷えてる」
高支那はあくまで淡々と喋る。
まだ気持ちの収まらないタケルは思わず顔を背けてしまう。
誰のせいだと思ってんだよ――
とでも言いたげだ。
コート一枚で城の中を走り回った自分がバカみたいに思えてくる。
そんなタケルの顎を捉え、半ば強引に自分の方へ向かせると…
「……すまなかった」
高支那は言葉少なにそう言った。
そして、タケルの唇に優しく自分のそれを重ねたのだった。
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