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崩壊
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タケルの目の前で、現実のものではないかのような、大規模な石橋の崩落が大音響と共に起きたのだ。
まるでスローモーションのように、深い暗い谷底へと崩れ落ちてゆく橋を、ただ茫然と見ているしか出来ないタケル。
冷たい風が吹き上げるそこには、手の届かない隔たりがあった。
タケルと高支那の距離感ーー
橋が崩落した今、もう高支那の元へは行けない。
たった今まですぐ傍にいた高支那が、一瞬で遠い存在へとなってしまった。
タケルはその場に立ち尽くしたまま、城の入り口に立つ高支那を見やる。
高支那の表情は月明りの下でもはっきりとわかった。
ーー微笑んでいた。
穏やかに…
あの、いつも冷淡で無表情の高支那がーー
そして…
高支那は、ゆっくりと城の中へと姿を消していったのだった。
「高支那ーーーーーーーっ!!!!!」
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