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永遠に
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屋上へと上がって来た高支那は、風の通る涼しい場所へと向かい、柵手前のベンチにタケルを横たえた。
しばらくタケルを無言で見下ろす。
五年だーー
あの深い森の中の古城で別れてから五年…
タケルは少し身長も伸びていて、大人びた感じがした。が、スーツを着こなすにはまだまだ若いようにも見えた。
高支那はそっとタケルの右頬に手を添えると、ゆっくりと顎から首へと滑らせる。そしてネクタイに辿り着くと、それを器用に緩めていく。
すると次の瞬間、高支那の手が不意に阻止される。
タケルだ。いつの間にか目を覚ましていたらしい。
しかし高支那はまったく動じることなく言葉を落とす。
「心配するな。胸元を緩めるだけだ」
だがタケルは高支那の手を強く掴んだまま離そうとはしなかった。
射るように見つめながら、言葉を絞り出す。
「……本当に…高支那…なのか……?」
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