アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
安全運転でお願いします
-
26.安全運転でお願いします
状況が分からない。
アカネ先輩がなぜナンバー先輩を…?
考えられる可能性は?
敵の術にかかり錯乱したナンバー先輩の目を覚まさせるためアカネ先輩が攻撃しているか、
もしくは逆で、アカネ先輩が錯乱して暴れている?
あるいは片方が偽物、両方もありえなくはない、こちらの動揺を誘っているのか、
本当になにかのトラブルで仲間割れしている可能性も?
そんな状況分析をはじめた自分のことはお構い無しに一直線でアカネ先輩に向かっていく緑の頭
どうするつもりだ!?
考える間もなく彼の容赦ない飛び蹴りがアカネ先輩を吹き飛ばす。
ひぃ、と怯えるりんさんの声が聞こえる。
考えてる場合じゃない、ヤツが2人を引き離してくれた間にナンバー先輩を助けなければ!
「りんさん!ナンバー先輩を!」
ナンバー先輩に駆け寄ると、既に意識はないようだった。
身体中に酷い傷と血。
「応急処置お願いします!」
りんさんがナンバー先輩の応急処置をする間、周囲から敵がやってこないか見張る。
アカネ先輩はどうなった?
目をやると、アカネ先輩は地面に倒れていてセンリが馬乗りになりながら扇を手に何かを喋った。
それからすぐに気を失っているアカネ先輩を肩に担ぎこちらへ戻ってきた。
「こちらは終わった。」
「今りんさんが手当してるとこ。まさか先輩にトドメを指したんじゃないだろうな…」
「眠らせただけだ」
追跡だけでなく眠らせる能力も使えるのか。恐ろしい奴め。
「建物の中に脱獄者がいる。私が捕らえてくるから、ここでこいつを見ていろ」
「え、1人で行くのか!?」
「十分だ。」
大した自信だ。
先に行った2人がこの状況なのに。
「わかった。」
ん?大きな音がする。
車の音だろうか、近づいてくる
振り向くと大きなワゴン車がこちらに向かってきているところだった。
「香涙サーーーーン!!」
窓から叫ぶ声
轢かれる!と思った瞬間、急ブレーキで間一髪
中から降りてきたのは桃色の髪に中途半端な忍び装束
「おとと、ごめんなさい、無事ですか?」
「忍先輩の車で危うく無事じゃなくなるとこでしたけど!」
同じ刑務所の、調査部所属 忍先輩。
「すすす、すみません!!!ジブン車の運転は苦手なもんで…急いで行けぇ!って言われたので、すっごいスピード出したら上手くコントロール出来ないし止まれないしで大変で…、でも、大丈夫です!人にはぶつかってないですよ!」
不安になる発言だ…
人以外に何かぶつけたのだろうか、深く詮索すると面倒そうなのでやめておこう。
「あの、急いで行けぇ!とは誰から?」
「あ、看守長ですよ!お前暇だろ〜、迎えに行ってこい〜!って、人使い荒いですよねぇあの人!まあ確かに、今は調査部暇なんですけどねぇ」
「は、はぁ、迎えに来てくれたんですね、ありがとうございます」
「脱獄者は見つかってないんですね…」
「今センリが建物の中を調べに行ってます。私は援護に行くので、3人をお願いします。」
「了解です!」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
26 / 26