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たぶんそんなにかからない
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Ky side
「おーっ!レトルトその服オシャレじゃん!似合う似合う!」
「ほんとに!?やっぱ買ってよかった~。あっ!うっしーもその服すごいカッコええよ!」
……ってな感じでさっきからレトさんとうっしーの2人が
何故か俺の家でお互いを褒め合ってる。
この異様な光景になったのは、時をさかのぼること約30分前
「~♪~♪~♪~♪~♪」
昼の12時を少し過ぎ、日曜の休日ということもあり、俺はついっさっき起きたところだった。
まぁ俺は毎日が休日みてーなもんだけど。
今日は特に予定は無く、1日テレビを見たりゲームをしたりしてダラダラ過ごすつもりだった。
そんな日に、起きて5分もたたないうちに俺の家はインターフォンの音が鳴り響き始めた。
「ったく誰だよ、こんな日に………ってレトさん?!」
インターフォンの画面を見るとレトさんが立っていた。
レトさんとの予定は………確か入って無かったよな?
どうしたんだろ?
俺は不思議に思いながらインターフォンの会話ボタンを押した。
「レトさん?どうしたの急に。」
「あっ、キヨ君!ごめんな急に」
「いや、全然いいんだけどさ。」
俺はレトさんと会話しながら扉のロックを解除した。
「開けたから入んなよレトさん。」
「ん、ありがと。」
俺は少し部屋の片付けをしながらレトさんが来るのを待つことにした。
「~♪~♪~♪」
玄関のチャイムの音が鳴って、俺は玄関の鍵を開けに行った。
俺が玄関のドアを開けると、同時に俺の目の前に何かが飛び出してきた。
「よっ!!キヨ!!」
「…………」
「おいっ!何か反応しろよっ!」
「……何でうっしーいるの」
「ひでぇー!いいじゃねーか、入れてくれって」
「へいへい」
飛び出してきたのはうっしーで、異様にテンションが高い。
めんどくさい。
レトさんはうっしーの1歩後ろで苦笑いしてた。
多分インターフォン鳴らしまくってたのも、隠れて入ってきて飛び出して驚かせようって言いだしたのもうっしーで、レトさんはそれに付き合わされたってとこだろ。
「…んで?2人そろって急にどうしたの?」
2人をリビングに通して、気になっていたことを聞いた。
「いや、今度みんなで実写の生放送あんじゃん?
んで、昨日レトルトから生放送のときに着る服のこと相談されて、
俺も悩んでたからさ、今日2人で買いにいこーぜってなってさ」
「そうそう、それで今日の朝からうっしーと服買いに行ってたんよ。
それで結構お店まわって服もいっぱい買えたから、
丁度近くにキヨ君の家があるし帰りに寄ってみようってなって
…やっぱ急だと迷惑やった?」
「へー。いや、全然迷惑じゃねーから大丈夫だよ」
迷惑じゃねーんだけど
俺はさっきから少しイライラしてる。
原因はもう自覚していて、
俺がレトさんを好きだからだ。
もちろん、恋愛的な意味で。
そんな俺のイライラを知りもせず、
2人はさっそく今日買ったらしい大量の服を袋から出して
いろんな服を着たり脱いだりを繰り返していて、
ファッションショーのようになっている。
そして冒頭の場面になる。
「あっ、レトルトこれ着てみろよ。
お前に似合うと思って買ってたんだよ。」
「え?なになに?
おーっ!すごいオシャレや~!」
うっしーがレトさんにあげたのは、少し大きめのゆるい白色のセーターで
俺も絶対レトさんに似合うだろーなって思った。
「っしょっと。…ど、どう?変やない?」
レトさんはさっそくうっしーに貰ったセーターを着てこっちを振り返る。
「「……っ!」」
正直すっげー似合う。。
うっしーも同じことを考えているらしく、ほんのり顔が赤い。
やっぱうっしーもレトさんのこと好きなのかなー……
最近うっしーとレトさんが異様に仲がいい気がする。
というより、うっしーからのレトさんへのスキンシップが多くなっている気がする。
今日だってそうだ。
レトさんが1番に服のこと相談したのはうっしーみたいだったし。
2人で朝から買い物しに行ってすっげー楽しかったみたいだし。
今だって2人ともずっとテンションが高い。
服なら俺に相談すりゃーいいじゃん。
この前俺が朝に「今から遊ぼう」って誘ったときは、
朝はめんどくさいからとか言ってごねてたくせに
うっしーとなら朝からでも遊ぶのかよ。
俺がどんなにオシャレな服着てても、1回も褒めてくれたことねーじゃん。
考え出したらきりがない。
…………わたしたくねーなー
うっしーにも、誰にも。
「ねーちょっと2人とも?生きてる?おーい」
いろいろ考えてて気づかなかったが
少ししても反応がない2人に、
レトさんがしびれを切らして再度話しかけていた。
「やっぱ俺にはオシャレ過ぎたかな。。」
不安になって自信を無くしかけているレトさんに
そんなことねーよ。すっげー似合うよ。って言おうと思って口を開こうとすると
「んなこと全然ねーよ、似合うぜレトルト。
やっぱ買ってて正解だったな。」
うっしーに先を越されてしまった。
「ほんと?//ありがと。うっしー」
うっしーの低いイケボに褒められて少し照れながらお礼を言い、微笑むレトさん。
なんだよその顔、そんな顔したらうっしーがもっとレトさんのこと好きになっちゃうじゃん。
うっしーはちゃっかりレトさんの頭なでてるし。
あぁー…………イライラする。。
ここ最近ずっと悩んでた、
告白してしまおうか。
それともいっそのこと諦めてしまおうか。
…でも答えは出てない。
告白も、諦めることも、どっちも自信がない。
俺は普段自信を無くすよーなことはねーけど
レトさんのことに関しては別で
レトさんの行動1つ、言葉1つで一喜一憂して
自信があるときなんて少しもない。
恋する女子みてーで恥ずかしいけど、
それくらい本気で好きなんだ。
「そういえばうっしー、これ着てみようよ!」
「おう!そういえば買ってたな。」
俺がイライラしてきているのにも気づかない2人は
また盛り上がって着替えてる。
「おー!やっぱいいなこれ。
おーいレトルト~、もう着れたか?」
「着た~!!キヨ君キヨ君!見てこれ!どうかな?」
レトさんに呼ばれて、
今度こそは俺もレトさんのこと褒めるぞって意気込んで
レトさんの方へ目を向けると視線の先には、
同じ色の同じデザインの同じパーカーを着た、
いわゆる”お揃い”の格好をした
レトさんとうっしーが立っていた。
「なっ、なんで……」
正直言葉に詰まった。
どんな反応をして、何を言えばいいのかも分からないくらい
驚きと焦りで頭が真っ白になった。
でもすぐにイライラに変わっていく。
それくらいに嫉妬で余裕がなくなっていた。
「たまたまさ、2人とも同じこの服買おうとしててさ、
かぶっちゃうから俺は諦めてレトルトに買ってもらおうとしたんだけどさ」
「俺がうっしーに、
かぶっちゃっても気にせんし。”お揃い”ってことにして2人とも買おう
って言ったんよ。」
レトさんとうっしーは、それぞれパーカーの着心地や手触りを確かめながら
お揃いになった経緯を説明した。
「そっ、そうなんだ。
似合ってんじゃん2人とも。」
俺は動揺してることに気付かれないように
いつもの声のトーンで必死に笑って2人を褒めた。
「でしょ~!」
と言いながらレトさんは呑気に服を整理し始めた。
ほんとは全然笑えない。むしろ泣きそうなくらいだ。
俺もレトさんとお揃いの服着たい。とか
お揃いにしようって言いだしたのはレトさんだったんだ。とか
そんな考えが頭ん中をグルグル回る。
あ~ぁ、もういっそのこと泣いちゃおうかな~。。
なんてバカなこと考え始めていると、
「よし、服も全部着てみたし、俺そろそろ帰るわ。
レトルトはどうする?」
と、うっしーが立ち上がってレトさんに聞いた。
「うーん、、俺はもうちょっとキヨ君の家おることにする~。
ええやろ?キヨ君。どうせ暇やろうし。」
「お、おう。ってか一言余計だよ!レトさん!」
「え?暇じゃないのキヨ君。」
「いや暇だけど!暇だけども!」
「やっぱり暇なんじゃんww」
よし、いつも通りに話せてる。
嫉妬してたのも動揺してたのも気付かれてねーよな?
レトさん変に勘が鋭いから気を付けねーと。
「まぁ俺は先に帰るわ。
じゃあ今度の生放送ときにまた会おうぜ。」
「じゃあな!うっしー」
「またねー!うっしー!」
レトさんと2人で
さっき買ったばかりの服を着て、
寒そうにポケットに手を入れて帰っていくうっしーを見送って、
それから俺たちも身体か冷えないうちに、
いそいそと暖房の効いたリビングに戻ってきた。
でもレトさんも服全部着てみてたし、どうしたんだろ?
もしかして俺と録りたい実況があるとか?
いろいろ考えていると、
「キヨ君。」
「ふぁい!?」
ヤッベー、いきなり呼ばれて声裏返った、恥ずかしー//
「今日どしたん?様子ちょっとおかしかったで?」
「へっ?」
なっ…なんでっ
「…いや?いつもと同じだったぜ?」
「嘘や。なんやいまの間。」
「いやいや!ほんとだって!レトさん!」
「も~、キヨ君!キヨ君の考えとることなら全部お見通しなんやからな?」
あ~もう!なんなんだこの人は!
そういう言葉が俺を期待させて、諦めようとしても諦めさせてくれなくて
うっしーとのお揃いの服のこともそうだ。
自分からお揃いでもいいって言うなんて、うっしーがどれだけ期待したか。
「キヨ君?もしかして熱があったとか?やっぱり急に来て迷惑やった?」
なのに期待させておいてこれだ。
本人に自覚がないからたちが悪い。
「心配してくれてんの?」
「へ?や、やっぱり熱やったん?」
まぁ、そんな自覚のないところも可愛いと思えてしまうんだから
俺もよっぽどなのかもしれない。
「いや、熱じゃねーから大丈夫だよ。レトさん。」
「な、なんだ。そーなんかぁ」
そう言って安心したように微笑むレトさん。
…っ!///
やべーな。。
好きだ。やっぱりレトさんが。
今すぐ抱きしめたくなる衝動を必死に抑える。
「レトさん。俺やっぱ大丈夫じゃねーよ。」
「キヨ君?やっぱりなんかあったん?」
……抑えるはずだった。
俺を心配して、近寄って顔を覗き込んだレトさんの腕を引っ張って抱き寄せる。
「キ、キヨ君!?//」
「俺さ、好きなんだ。。レトさんのこと。」
「お、俺も好きやで?キヨ君のこと。」
「ちげぇーよレトさん。俺の好きは。
俺の好きは……俺の好きは、
レトさんのこと誰にもわたしたくなくて、
独り占めしたい方の好きだよ。
今日さ、俺うっしーに嫉妬しまくってたのレトさん気付いてねーだろ。」
「そっ…そうやったんや…///」
抱きしめててレトさんの顔は見えねーけど、
目の前に見えるレトさんの耳が真っ赤で。
俺のこと意識してくれてんのかな、とか期待してしまう。
まぁ、俺もレトさんぐらい真っ赤なんだろーけど。
ずっと抱きしめたかった感触に、思わず腕に力を込める。
「キヨ君俺さ、キヨ君のこと友達としては好きだけど
キヨ君と同じ気持ちで好きかは分かんない……でも、」
「でも?」
「でも、今抱きしめられてるのは嫌じゃないんよ。」
「レトさんそれって……!」
俺はレトさんの顔が見たくなって、腕を緩めてレトさんの顔を覗く。
「分かんないよ?分かんないけど…キヨ君のこと、俺……好き……かも?」
レトさんは、恥ずかしいのか顔をまた耳まで真っ赤にさせてうつむいている。
「レトさーーーーーーん!!!」
俺は腕の中にいるこの人が愛おしくてたまらなくなって
思いっきり力を込めてレトさんを強く抱きしめる。
「おっ、おい///苦しい苦しい!キヨ君!!」
レトさんは俺の腕の中からもがいて抜け出して俺と距離をとる。
「や、やからまだ分からんって!」
レトさんは俺から距離をとったと思ったら
急いで帰る準備を始める。
「お、俺、今日はもう帰るから!」
そう言ってレトさんは急いでリビングを出て、玄関に早足で向かっている。
俺は慌ててレトさんを追いかけて大声で言った。
「俺!!俺…ぜってーレトさんを俺に惚れさせてみせるから!」
そうレトさんに言い放つと
レトさんは驚いたように目を見開いて、こっちを振り返った後
照れたように顔を赤くして、微笑みながら
「待ってるから。///」
そう言って玄関のドアを開け、逃げるように帰っていった。
(なっ、なんだあれ~///)
俺は思わずその場に座り込む。
「……やっぱあの顔ずりぃー////」
レトルトがキヨのことを好きになるまであと₋₋₋₋₋₋₋₋₋
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