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目が覚めると身体が少し楽になっているのがわかった。
息することが苦しくなった後の記憶が何もない。
身体が楽になっているのはおそらく薬を飲ませてもらったからだろう。
少し軽くなった身体を起こし、ベッドから床へ降りてみる。
歩けないわけではない。
少しクラクラするが身体は動かせる。
これだけ動くことができればアイツから逃げられるかもしれない。
アイツが戻ってくる前にここから抜け出せば良い。
大きな扉の前まで来る。
開けようとしてみるがビクともしない。
「お…もいッ!!」
全体重をかけて押すが全く動かない。
ドアが重いのか開け方が間違えているのかビクともしない。
「う"....ッ…ゲホッ…、、、」
身体に負担がかかったのか吐き気が催してくる。
「き…もちわる…ッ、、、」
ベッドに戻ろうとし立った瞬間後ろでドアが開く音がした。
「ミヅハ…?」
なんてタイミングが悪いんだ。
「何故体調が悪いのにベッドから降りているんだ。逃げようとしたのか?」
嘘をつこうと思ったけど気持ち悪すぎて言葉が出せない。
「ミヅハ…」
怒りを含んだ声で呼ばれ身体が震える。
ゆっくり近づいてくるカグ。
逃げたい。逃げたいのに、なんで身体が動かないんだ。
「お…ぇっ、、、」
吐いてしまった。
身体が浮き上がりカグに抱き上げられたことがわかった。
そっとベッドの上に降ろされる。
「お仕置きされたいのか?」
冷たい声で淡々と言われる。
吐き気を我慢しながら王を睨む。
「お仕置きされたくないなら今は大人しく寝てろ。」
次はないからな、と言い残し部屋を出て行った。
寒い。また熱が上がってきたのか。
今までされたお仕置きを思い出す。
何度この身体を壊されかけたか。
冗談じゃない。
身体が回復すれば逃げるチャンスもまたあるだろう。
今は大人しく寝ていよう。
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