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よん
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驚き固まるサラの手を取りお腹に手を当てるが何も言葉を発しないサラに対して不安を覚える。やはり、孤児で軍人・・・それも一つの隊を持つ俺には無理なのだろうか。お前の隣に立つことが・・・。
泣きそうになり顔を下に俯いてしまう。迷惑だったのかと不安に思う反面王太子の子を妊娠したという圧が俺の心に押し掛かる。
そろそろお腹に当てている手を退けてしまおうかと力を抜いた瞬間・・・サラに抱きしめられた。
「わっ!!」
「〜っ!」
「え、なになになに!!」
サラは俺を抱きしめたまま立ち上がった。急な体制に驚いて大きな声が出てしまったがこれは本当に怖い。てか下ろして欲しい足が床に届いていないこわいこわいこわい。
「っークルト!!」
「な、に・・・っ」
「ありがとう・・・っ!」
「!!!」
抱きしめられたまま視線を合わせると、そこには見たことのない笑顔でサラーディアが瞳を潤ませていた。
こ、んなに喜んでくれるなんて・・・っ
ほぼ無意識にサラの頬を両手で包み込む。すると瞳から溢れ出した涙が一本の線を作り流れ俺の親指を濡らした。
俺は今まで嬉し泣きなんてしないと思っていた。
涙は悲しい時や苦しい時・・・負の感情が高まった際に出るものであって嬉しい時に泣くのは有り得ないと、今まではそう思っていた。・・・そう、思っていたのだが。
「くぅ・・・っ」
こんなにも胸が暖かく満たされる事があるなんて、俺は今まで全然知らなかった。
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