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きゅう(end)
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何とかバスローブを渡されそれを着た王妃は王の隣に座り俺とサラも座るよう促され、王と王妃に対面するよう机を挟み座った。
「お茶とお菓子を持ってきてくれます?」
「分かりました」
部屋の外にいる侍女に向かいラトビエがそう言うとすぐにお茶とお菓子を持ってきてくれた。お茶を入れると頭を下げ侍女の方は外へ出て行った。するとお茶を一口飲んだあとラトビエが話し始めた。
「今更だけどお前、本当にこいつでいいのか?産みの親が言うのもあれだけど、こいつは俺が産んだ子の中で一番チャーリスに似ている。全体的に。
・・・だからお前がもし俺と同じ気持ちを味わう事があるかもしれないぞ」
「ラト・・・」
普通に嬉しかった。ラトビエがこんなに心配してくれる事なんてないと思うから。それだけ今までの辛くて悲しい出来事を忘れられないのだろう。そしてラトと同じように不安そうな顔をして隣で俺の反応を待っているサラの腕に手を置く。
「・・・?」
「何を不安そうな顔してんだよ。父親になるんだろ?しゃんとしろよな」
「っ」
泣きそうな顔で俺を抱きしめて小さな声で「ありがとう。一緒に頑張ろうな」と耳元で囁いた。・・・その言葉だけで胸がいっぱいだ。心が暖かい何かに包まれるみたいに。やっとこの子を授かって良かったと心から思え、迎える準備ができた。
王と王妃も先程よりも安心した顔をしているがラトにはまだ不安が拭いきれていないように見える。あぁ・・・こんなに心配させるって今までどんだけ王妃を不安にさせて来たんだうちの王様は・・・。
「ねぇ、ラト。これから俺の義母として世話をしてくれよ」
「な、当然だろ!不便がないようにちゃんとサラが支えてあげろよ!それに悲しませないように」
「分かってる」
少し元気になったのか微笑む王妃はやはし美しい。その王妃の隣で見守る王も見とれるほどに。
これから色々大変だろうけど助けてくれる人が周りにたくさんいる。安心してこの子を産むことが出来てサラと一緒になれた。こんなに幸せでいいのかと涙が出そうになる。
あぁ、本当になんて幸せなんだろう。
『新しい人生』end
サラーディア×クルト
クルトが1歩進む話。
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