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番外編1-2
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「一体何用だ。私も暇ではないんだぞ」
「どうせ今から母上様の所へ向かう途中でしたのでしょう?少しぐらい子ども達との時間を作ってお話しましょうよ」
「・・・はぁ、まぁ良い。しばらく会っていなかった子もいるしな」
「わぁ、父上様大好きー」
「サクラ姉様棒読みですわ」
父が諦めて椅子に腰をおとすと凄く感情のない言葉を投げたサクラ姉さんに第4王女であるココがボソッと呟いた。
父は元々俺たち子どもの事を溺愛までとはいかないが、とても可愛がってくれている。
随分昔に丸三年の間、第一王位継承者であるサラーディア兄上以外の誕生日をまともに祝えない程忙しい時期があった。他の祝い事には全く関わらない父だが子どもの誕生した日だけは大切にしてくれている。なので三年もの間祝えなかった事と、当時の忙しさで思考が追いつかなくなったのか俺たち兄弟姉妹の誕生日全てを祝日にしようとしていた。誕生日を休みにすると自分が祝えない代わりに他の人が祝ってくれるだろうと思ったらしいが、まぁ・・・やり過ぎだよな普通に。母は毎年祝ってくれていたし。
その後忙しさがどんどん減っていき時間がある程度出来てきた時にその話は当然白紙にしたらしい。
「それで、何故こんなに集まっておるのだ」
「お母様についてお話していました!」
「ラトについて?」
「はい。そうですわ」
「ラトの何について話していたのだ」
俺ら兄弟姉妹が人々の言う『マザコン』なのは城の者も民も知っていることなので、こうして集まり母の話をしていても特に何も思われないのが楽だ。今だって父は母の話をしていたと聞いた瞬間嬉しそうな顔をしたしな。
「ラトの話をしていたならラトを呼べばいいだろ」
「それはダメです。お母様はまだ来てはいけないのです!」
力強く話すミツキの姿に何かを察したのか一気にバツの悪い顔になる父に一度息を吐いて俺から問いかける。
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