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「ようこそ、花麗。」
「私達の狐狸(こり)の社へ。」
「こり…狐と狸?」
「そう、白夜が狐の神で、俺が狸の神様。」
「ここは他では珍しい、狐と狸を奉った神社なのです。」
ひやりとした風がサァッと抜けていく。
桜の散ったばかりのこの時期も、夜は十分に冷え込む。
「さぁ、夜も更けてきました。今日はもう休みましょう。」
そう言って本殿に上がる。
「うぅっ…。まだ夜は冷え込むね。」
着の身着のまま逃げてきたため、薄手の部屋着のままだ。
体の芯まで寒さが堪える。
「申し訳ない。布団は無いんだよ。でも…。」
そう言った二人の後ろから、何かがブワッと現れた。
「コレなら多少は暖をとれるかな?」
フサフサ、モフモフの大きなーー
「シッポ?!」
身の丈を越える程の大きい尻尾が生え、花麗を包み込んだ。
「ふふふ。すごーい!フワフワしてて温かぁい!」
「気に入ったかい?」
「さぁ、もうお休み。」
「うん。白夜、剛祈、ありがとう。」
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