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昨日の仕事帰りに、また花麗のマンションに寄ってみたけど、インターホン押しても反応がない。
合鍵で部屋に入ってみると、買ってきた弁当も食べずに何処かへ出掛けているようだ──というよりは、あのあと部屋に戻った様子がない。
ケータイも財布も部屋に置いたまま。
「何処に行ったんだ…?」
顔色悪かったのに、ちゃんと部屋までついていってやればよかった──。
そんな後悔に悩みながら、戻ってきていないかと今朝もマンションの下までやって来た。
「やぁ、羽柴じゃないか。」
「今井先生!またお会いしましたね!」
「実は、来週ここに引っ越すことが決まったんだよ。」
「そうなんですね。──あ、昨日あれから花麗が何処に行ったかなんて、分かんないですよね?」
「…綾瀬? そうだな、確か向こうの方に行ったはずだ。」
そうやって先生が示した先は、マンションではなく、俺の家がある方角でもない。
「ありがとうございます。あの、もし花麗に会ったら、俺に連絡するように伝えてもらえますか?」
「なんだ、ケンカでもしたか? 分かった、伝えとくよ。」
ヒラヒラと手を振る先生を背に、教えてもらった方へと向かった。
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