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「あ……ああぁ…ぅああぁぁぁぁぁッッ!!!」
少年の泣き叫ぶ声の中、天狗の長はスルリと姿を消し、二人の土地神も、気を失った花麗を抱き抱え、こちらに一礼してから姿を消した。
──今、ここで何が起きたのだろう…。
神様だとか、天狗とか……。
この少年は、こうなることを分かっていたのだろう。それでも何故、禁忌を犯したのか…。
自分の着けていた天狗の面だった、その粉々に砕け散った木屑に、大粒の涙がボタボタとこぼれ落ち、少年の悲しい叫びがいつまでも山林に響いていた。
「……落ち着いた?」
泣き叫んでグシャグシャになったその顔を、自分の持っていたハンカチでぬぐってあげる。
「……なんだ、おまえ……まだ、いたのか。」
「こんなに泣いてる子を、置いていけなくて…。」
「お前には、ズビッ…関係ないだろ…ズビビッ」
あぁ、定番の鼻かみ…。奮発して買ったアルマーニのハンカチが……。
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