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短く切り揃えられた爪が触れ、擽ったさを誤魔化すように腰が跳ねた。
まさに忠犬だ。佐々木に逆らえない自分が愚かで、惨め。
それらの悔しさを反映する口元だけが固く閉じられ、中でギリと音を鳴らしている。
ゆっくりとズボンを降ろし、膝のあたりまで到達したところでようやく佐々木は口を開いた。
「あー…っはは、やっぱり。そわそわしてたのこれが理由っスか?なーんで履いてないの?」
緩く開かれた佐々木の唇。そこから覗く赤い舌が整った歯列の間を走る。
おかしな話だ。突然家に押し掛けられたかと思えば、そいつは学生服のままで。
いい年の大人であるにも関わらず、訪問を許し、受け入れて。
なすがまま、されるがままに、こんな醜態を晒して。
「…ぉ前、が…早かっ……から、取りに…じ、かん……無くて…、。」
普段から口下手の自分が、このような有様でうまい言い訳を考えつく筈がない。これは一つも言い訳ではなく事実だ。
佐々木が早く来ると知っていれば、もっと早くに風呂を出ていた。そうすれば、事故は起こらなかった。
心の準備も、大人として振る舞う余裕も、必要ならば晩飯の支度も出来たかもしれないのに。
折角佐々木が家に来てくれたのに、俺はもてなす事も出来なければこんな…最悪の事態を引き起こしてしまって。
恥ずかしいなどという生易しい感情ではない。哀れだった。どこまでも。
許されない気持ち、欲に抗う事も出来ない自分が。
「へぇ…。それって俺に1秒でも早く会いたかった…みたいな?」
「…ったら何、だよ……っ!」
「…っ。」
もう嫌だ。ふざけるな。
大人を弄ぶんじゃない。
やめてくれ。
その間も、惨めなまでに反応を示す自身がおさまる事はない。
佐々木に少し触れられただけで
佐々木の目にそれが映るだけで。
説明できない。
言葉が出てこない。
嘘が見つからない。
正直になんかなれない。
視界が揺らめいて、たまらず溢れそうになった涙を隠すように目を閉じた。
こんな状況で、更に泣き顔まで見せるようではそれこそ今すぐにでも死んでしまいたくなる。
と、その時、縛られていた手の拘束を解かれると同時に、布の擦れる音がした。
気付かれない程度に細く目を開けば、俺の正面にいた佐々木の姿はない。
一体どこへ──…そう思ったが、見つけるのは簡単だった。
「…舐めて、いいスか?竹内さん。」
「っ、え…ぇ。な、ん……っ?!」
邪魔なズボンを取っ払い、俺の股の間で立派に“伏せ”を見せつけるその目は
興奮を隠しきれないまでに燃え上がり、質問の答えなど丸きり興味がないのか、早速勃ち上がるそれに舌を寄せる。
あぁ、俺が忠犬ならば
きっと、お前は猛犬だな。
「ん、ンぁぁ…っ、」
熱い粘膜が絡みつく感覚に身震いをして、けれど妙な冷静さを隅に残した脳は、そんな呑気な事を考えていた。
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