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竹内さんに肩を貸し、よろけながら奥にあるダブルベッドへ辿り着く。
写真ではよく見えなかった謎の鉄格子は、なんと手錠付きの完全にそういうプレイ用のものだった。
流石に恥ずかしくて見ないふりをしてのは言うまでもない。
「…さ、さき?こないのか?」
竹内さんだけを横にして水でも持ってこようかと辺りを見渡していたのだが、どうやら竹内さんは俺も一緒に寝ないのが気に食わないらしい。
ギ…と小さな音を立てて沈み込むそこへ腰を下ろし、竹内さんが心待ちにしていたであろう“ヨシヨシ”をしてあげた。
すると、竹内さんは涙が零れそうなほど潤ませた瞳をゆっくりと閉じ、満足げな笑みを浮かべて。
無意識だとは思うけど、俺の手にすり寄るみたいに頭を動かし、終いには撫でている手を両手でしっかり掴んで頬擦りまでしてくるんだ。
……そんな格好で、気の抜けきった顔してさ。
俺だって仏様じゃないんだから、我慢きかなくなるよ。
「竹内さん、だーめ。俺水取ってきますから。」
「いらな…から、もっと近く……こいって、」
「……はぁ。」
はい。完全に負けました。高2にこれはアウトです。
俺は、いよいよ覚悟を決めて竹内さんが横になっているその上に、思い切り乗り上げた。
突然視界が反転し、さっきまで隣にいた俺に押し倒されるような形になった竹内さんは、まるで理解が追い付いていないとでも言いたげな驚いた顔をして、それが堪らなく可愛くてゴクリと喉が鳴る。
だが、それを拒む様子も無ければそれまでと変わらず…いや、むしろさっき以上に熱のこもった視線を俺に向けてくるんだから、これはもう…そう言う事じゃん。
「竹内さん…。」
「ぅ、ん…?」
「してほしかったのって、本当によしよしだけ?」
「………ぁ、っ。」
竹内さんの瞳が大きく揺れる。
すぐに逸らされた目線がいじらしくて、頬を取って強引に目を合わせた。
すぐに俺の元へ戻ってきた竹内さんの黒い目に映る俺が一体どんな顔をしているか…なんて、想像しただけで鳥肌が立つ。俺の予想を確信に変えるみたいに、竹内さんの表情からは微かな恐怖が読み取れた。
「…誘ってんの?」
怯えた瞳、欲に忠実な顔色、脱力した身体。
そして言葉にならない期待を込めて、俺へと伸ばされる掌。
俺は柔らかな黒い髪を絡め取り、薄く開いた唇に焦点を定めた。
吐かれる熱い息は、正直めちゃくちゃ酒臭いけどそんなのどうでもいいくらい、色気を纏っていて。
徐々に目を閉じ、そこへ向けて唇を落とした──。
が、触れたのは思っていた柔らかなそれではなく、骨ばった硬い感触で。
…は?
「たけ…、え?」
竹内さんは、真っ赤になりながら両手で口元を押さえ、ふるふると首を横に振っている。
「………キス、は…だめだ。」
え?
嘘だろ。今俺……竹内さんに、拒否られた?
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