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我々は双子を怒らせたい 1
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グルッペンは気になっていた。
何がかというと、あの双子はどうやったら怒るのかということだ。
グルッペンは双子、もとい柚希、柚夏の怒ったところを
今まで見たことがなかった。
それどころか、何故なのかあの二人が来てからまだ戦争もないため、
本当に本気で戦っている姿も見たことがなかった。
だからこそ見たくなったのだ。あの普段怒らない二人が怒るところが。
何か一つの事に激怒し、争い合う姿はとても面白いものだ。
それが見られないのは実に残念である。
今日一日はあの双子を怒らすことにしよう。
グルッペンはそう思いながら笑みを浮かべるのだった。
*****
グ「と、いうことなのだが...」
ト「そんなことに全力出す前に書類のほうやってくれませんかねぇ!?」
グルッペンはまず、一人でするのも手間なので、他の幹部にも話して、
協力してもらうことにした。
そして、トントンに絶賛怒られ中だ。
鬱「にしても、確かに怒っとるところ見たことないなぁ~。」
グルッペンがひとしきり怒られ終わった後に、大先生はぽつりと呟く。
グ「面白そうだとは思わないか?」
コ「面白そうっちゃ面白そうやな!w」
ゾ「ええんやない?俺も参加するわw」
コネシマとゾムは面白そうだとその発言を肯定した。
そのあと、シャオロン,チーノも参加すると言い、
鬱としんぺい神は面白半分で参加することになった。
因みに、後は総統様の権限によって強制参加である。
グ「では、まず、柚希から仕掛けていくとするか。」
グルッペンは黒い笑顔をするのだった。
*****
まず、作戦1。柚希が終わらせた書類をダメにする。
これはトントンに大丈夫なのか聞いて一応期限は近くないので大丈夫だ
と言っていたので行うことになった。
これを実行するのは鬱。いつもの無能ぶりでダメにしてしまえば
何も怪しまれないだろうというための選択だ。
鬱は執務室の近くの死角で気配を消して待つ。
すると、予定通り柚希は執務室前まで来た。書類が終わったようだ。
鬱は「早いな~」と心の中で感心しながら柚希のほうに走っていく。
そして、ぶつかれば柚希は思いもよらない衝撃に耐えられず、
体制を崩したときに書類が何枚か落ちた。
鬱はそれを見逃さず、偶々なふりをして心の中で謝りながら
それを踏んだ。
鬱「あっ!ごめん、踏んでしもうた!;」
鬱は普段から人に嘘をついて、旧嘘つきと呼ばれるほどの演技力で
わざとじゃないという風な素振りを見せる。
柚希の表情は下を向いているため、わからない。
しばらく、両者とも数秒の沈黙という重い状況になり、
鬱がどうしようかと焦り出したときに、柚希が口を開いた。
___はたして反応は.....?
柚希「鬱さん、大丈夫ですか?;」
鬱「.....へ?」
返ってきた言葉は思っていたものとは別物で、
鬱を心配してくれる言葉だった。
思ってもみなかった言葉のため、鬱は素っ頓狂な声を上げる。
しかし、そんな声を気にすることなく、柚希は続ける。
柚希「さっき思いっきりぶつかっちゃいましたけど、
怪我はありませんか?;」
その続けた言葉も鬱を心配する言葉で、鬱は更に困惑した。
鬱「ちょちょちょ!待ってや!」
柚希「?、どうかしましたか?」
鬱「いや、どうかしましたかやなくて、僕書類踏んだんよ!?
しかも、終わらせてきた書類なのに...怒らんくってええん!?」
柚希「?、大丈夫ですよ?すぐに書き直せるので。」ニコッ
その言葉を聞いた鬱はぽかんとした。
そんなすぐにはこれを終わらせれるはずがない。
期限がまだあるからと言っても早めに仕事は終わらせたいはずだ。
それなのに、こんなことをしても一切怒らない柚希の
心の広さはどれくらいなのだろうか...?
柚希「鬱さんが大丈夫ならよかったです。それじゃあ、俺
書類書き直してくるので。」
そういうと、柚希は笑顔を向け、自室に戻ってしまった。
一方、鬱はそんな柚希をぽけーっと見ながら、「あれはモテる理由
わかるわ...」というくだらないことを考えていたのだった。
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