アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ちゃらお君の渇望(2)
-
(偽名教えたことになるけど別にいいよな)
静を音読みして「せい」。さすがに「しずか」を教えるとバレそうだと思ったからだ。バレたくないわけではないのだが、今はまだ早い。
そんな風に考えていた静は恭弥の視線を感じて横を見る。琥珀色が真っ直ぐに静を見ていた。
「…恭弥」
「……」
知っていたし、自分が名乗っていないことに気がついて突然言い出したのだろうが静はわけがわからないという態度をとってみせる。
「俺の名前、恭弥」
「恭弥?」
小首を傾げて呼んでみれば恭弥ははにかむように笑った。
(違和感あるな…)
想像していた恭弥とは余りにも違いすぎて釈然としないが、むしろこっちが素か?と思うとそんな恭弥が可愛く見える。
(甘やかして、ぐちゃぐちゃにして、泣かせたい)
静の目の奥に僅かに嗜虐的な色が浮かぶが恭弥はそんなものに気が付かない。あの夜ほどでは無いにしろ酒が回り、ここ数日の寝不足から来る眠気、それから待ち焦がれていた相手との再開に自身では気がついていない高揚感、そんな色々なものが絡み合って恭弥は甘えたいの欲望を抑えることができていない。静はそれをわかっているし、最大限利用するつもりで様子見している。しかしずっと恭弥の物欲しそうな顔を見ていればさっさとお持ち帰りしたいとも思う。
(どうするかなぁ)
今の恭弥なら簡単にホテルに連れ込めるだろうが一応生徒と教師の間柄なわけで、静の中にもそれなりの葛藤はあった。などということは全くなく、とっくに手に入れると決めていた。今は駆け引きとも呼べないこの時間を楽しんでいるだけだ。
恭弥はその後は何も話すことがなくなり黙ってちびちびと酒を飲んでいた。せいはつまらなくないだろうかと時折盗み見るがその度に目が合って微笑まれれば顔を赤くせざるを得なかった。照れ隠しにペースも考えずごくごくと飲んでいれば必然的に酔い潰れるわけで、1時間も経たないうちに寝入っていた。
(これ、今まで無事だったのか…?)
すやすやと気持ちよさそうに眠る恭弥を自身に凭れ掛からせると静はそれを眺めながら最後の一杯を飲み干した。
その後静は恭弥をしっかりお持ち帰りした。加賀見から蔑むような目で見られたがしれっとした態度で店を出た。
家に着くと全く起きる気配のない恭弥を風呂に入れて着替えさせる。高校生とはいえ大人と変わらない背丈の完全に脱力した男を風呂に入れるというのは中々に重労働だが、細身でそこまで長身というわけでもない、むしろ静から見れば華奢とさえ思える恭弥は大して苦にならない。あえて言うならば手を出せない状況下での恭弥の裸体は少々刺激が強い。目に毒だった。とはいえ折角の機会なのだからと静はちゃっかりしっかり観察した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 47