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ちゃらお君は甘党(2)
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放課後、恭弥はちとせと合流して学校の隣駅のショッピングモールへと来ていた。
「こんな変な時間でも混んでるんだな…」
「学生多いしみんな学校帰りとかかな?」
店内は制服姿の人が多く、さらに言うと9割が女子だ。1割の男は全員が女の連れがいる。
「場違い感半端ない」
「あははっカップル多いねぇ〜」
人が多く、カップルだらけの店内を見るちとせは既にげっそりした顔をしている。恭弥はそんなちとせを宥めつつ受付の紙に名前を書く。
「3組目ね。でもまあすぐ空くでしょ」
「瀬戸あそこ座れる」
店の前のいくつか並べてある椅子に座って待つ。
「もう再来週には期末か〜早いよねぇ」
「お前は余裕だろ」
「ちとせも別に赤点とかはないでしょ?」
「まぁ…問題は愛希だな」
「愛希ちゃんは…」
恭弥はちとせの幼馴染みの可愛らしい顔を思い浮かべるがテストの出来が宜しくないことを思い出して苦笑いを浮かべた。
「頑張ってって言っておいて」
「……」
「どうかした?」
「お前って愛希狙ってたんじゃねーの?」
そう言われて恭弥は驚く。別に隠していたわけでもないし、むしろ露骨にアタックしていた時期もあったしちとせにバレていてもおかしくはない。だが今の言葉は予想外だった。
「…何で俺がもう愛希ちゃん狙ってないと思うの?」
「え、いや。狙ってないのか?」
「え?」
「んん?」
あれ?と2人は顔を見合わせて首を傾げる。
「俺はお前が愛希のことを本気かどうかは知らないけど気に入ってるみたいだったからてっきり狙ってるんだと…」
「うん?狙ってた、けど…」
「あれ、やっぱ今は違うのか?」
「え…」
「前のお前だったら積極的に愛希に絡みに行ってたし、餌付けとかしてただろ。中間の時の勉強合宿だってお前に急に決められたって新藤に聞いたぞ。でも今はあんまり愛希に興味無さそうだし、合宿しようとかならないだろ?」
普段は鈍いちとせが珍しく鋭い。
「そうだけど…何でもう愛希ちゃんのこと好きじゃないと思うの?」
「愛希のこと好きだったのか!?」
「え、いや…そう言う?好きとかでは…可愛いと思うけど」
「あーまあお前らの感覚は俺には理解できないけどさ…」
「ちょっとちとせ?軽蔑してない?」
「してないしてない、引いてるだけだ」
「十分酷いけど!」
2人とも話が噛み合っていないし、そのせいで論点がずれているが本人たちは違和感を感じつつも気がつかない。
「まあ何にせよ、本命でもできたってことか?」
「本命って…」
「二名様でお待ちの瀬戸様〜」
「あ、呼ばれた。行こうぜ瀬戸!」
ガトーショコラがすぐそこだと楽しみで仕方がないちとせはさっさと話を切り上げて立ち上がる。
恭弥はと言うと、静以外が全く眼中になくなっていた事実に今更気がついて困惑していた。そう言えば愛希を口説いていた時期もあったと言うのにそのことすら忘れていた。
(いつから…?)
いつから愛希に興味がなくなっていたのだろう?考えるがわからない。
恭弥自身にはわからなかった。単に愛希に興味がなくなったのではなく、静以外への興味など元から大して無かったと言うこと。静と出会って、強烈に惹かれ、本人も自覚などないままに惚れ込んでしまっていると言うことに。
恭弥は静が好きだ。自覚もある。
しかし恭弥は多くの人の言う『好き』がわからない。同じものを静に抱いているのかがわからない。どう言う感情が世間一般に言われる好きなのかがわからない。
甘いものが好きの『好き』と、友達が好きの『好き』と、女の子が好きの『好き』と、静が好きの『好き』。それらの違いがわからない。
(本命って…?)
恭弥の中で疑問が生まれた。
今までも恋人がいたことくらいある。だが、そのどの元恋人たちとも静は違うのだ。
(せいは…俺にとって何なんだろう?)
* * * * *
一応補足です!
合宿?何の話?となられた方、気になった方は『ドS悪魔の可愛い下僕』のp94をご覧下さい!
だめじゃん、この話だけでわかんないとこ出てきたじゃん!!って私も思っております。大変申し訳ございません😭
さらっとお話すると、恭弥が中間テストの時に勉強合宿しよう!斗真の家集合ね!ってなったよって感じです。その頃に恭弥がちょっと愛希を可愛いなぁって思ってただけで特になにかがあったわけではない…と思います🤔
中間テストが5月の半ばか末くらいだったのですが、恭弥と静が出会ったのが6月始まってすぐくらいのはずなのでこの物語の1ページ目で時間的には既に終わった話なんですよ!(言い訳)
まぁ恭弥とちとせの会話の内容で合宿の話はそこまで重要でもないのでスルーしてやって下さい笑
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