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強い刺激に、精神まで引っ張り上げられる。
体中の血液が一気に沸騰し、手足の末端にまで勢いよく押し流される。
頬が火照り、肌がうっすらと湿り気を帯びれば………妖艶に香る、淫靡で甘い匂いが仄かに立ち上がった。
……はぁ、はぁ、はぁ
肩で息をし、脱力しきった両腕を何とか動かす。
そして、火照りきった顔を隠すように、顔を横に向けたままその両腕をのせた。
ズボンも下着も、全てするりと剥がされる。
僕の腿裏にハイジの手が掛けられ、両膝が腹の方にグイッと押し上げられた。
まだ果てずに張り詰め、鈴口から涎を垂らし、てらてらと濡れる陰茎が、ひんやりとした空気に曝される。
その下にある……幾重にも折り重なって襞になった小さな窄まり。
そこに、熱の籠もったハイジの吐息がかかった。
「………!」
壊される……
次に来るだろう、快楽の第二波を予見し、ぶるっと身震いした。
怖い……やだ……
……やだ……
「………さくら……?」
徐に、僕の足が下ろされる。
ハイジがベッドに手を付いて、ゆっくりと上がってきた。
熱く、硬く、苦しそうに張り詰めた、ハイジの肉茎。
その先端が僕の腿やお腹を掠めれば、先走った液で濡れ広がった。
「さくら……」
天から降ってくる、遠慮がちな声。
柔らかな溜め息をついた後、安心させる様に僕の髪をそっと撫でる。
「もう、止めとこうぜ」
その言葉に驚き、顔を隠した腕を少しだけずらす。
腕の隙間からハイジをチラリと覗き見れば、その表情は想像していたものよりも穏やかだった。
「さくらの甘い味、堪能させて貰ったし……もう充分……」
僕を気遣う、ハイジの綺麗な瞳。
纏うオーラは柔らかで、壊れたと思った雰囲気も、まだ何処か甘い。
「………」
そんな訳、ない……
あそこまでして、途中で止めるなんて……
直ぐに目を伏せ、頭を傾げたまま首を小さく横に振る。
それなのにハイジは、僕から身体を下ろし、僕の左隣に身体を横たえてしまう。
……どうして……
「無理すんなって」
優しくされればされる程、もやもやとしたものが黒く渦巻き、胸中を支配していく。
それと同時に、胸の奥からじりじりとした痺れと淋しさが込み上げた。
顔を隠す腕を、瓦礫が崩れる様に取り外す。
まだ熱いままの頬をハイジに向け、肘枕をするハイジの腕へと手を伸ばした。
その指先が肌に触れた瞬間………自分でも気付かぬうちに溜まっていた涙が、ぽろりと零れる。
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