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「それで湿布?」
時刻は午後10:00
紘により掛かりながら今日の出来事を話していた
「んー、そう」
紘に寄りかかっていたが、カウンター席の方から視線を感じて見ればスーツを着た中年オヤジがこっちを見ていた
そしてその手元が股間を触っていることに気づき俺のこと見ながらそういう事すんなと苛立つ。
ムカついて思い切り睨めば焦ったように視線を逸らされた
殴ってやろうか。そう思って体を紘から離そうとしたタイミングで話しかけられ何とかとどまる
「じゃあ今日は早く切り上げるか」
おでんを食べながらいつもの調子でそう言われた。
「何でだよ」
さっきの変態オヤジのせいもあってかイライラしてきた
「は?怒ってんの」
「触んな」
俺が勝手に寄りかかっていただけだが、それでもイライラしてきた気持ちを抑えられなくて理不尽な当たり方をしてしまう
最近は不登校である陽のことで怒られることが多いし、仕事量が多く帰る時間も遅くなってしまう。
睡眠も充分にとれないし、連日怒られているせいか夢見も悪くストレスが溜まって頭痛も酷かった
一度あたってしまうともう抑えられなくてキレながら紘のことを睨む
「情緒不安定かよ」
「面倒くさいなら帰ればいいじゃん。別に相手なんかお前じゃなくてもいいし
お前はっ…こっち見んじゃねーよ!……っ、い」
カウンターからまたもや感じた視線に怒鳴れば頭がズキッと割れるように痛んだ
思わず頭を手で抑える
最近ずっと付き纏っていた頭痛。
怒鳴ったせいか、イライラしているせいか、痛みが強くなる
ガンガンと強くなり続ける頭痛と共に、車で酔ったかのような気持ち悪さで口元を抑えた。
周りの視線を感じてはイライラして、その度にズキズキと痛みが悪化する。
ぎゅ、と体を丸めれば優しく落ち着かせるように背中を撫でる手があることに気づいた
「…ストレスため過ぎだっつの」
「…っうるさい」
お前に何が分かるんだよ。
学校でのことを思い出すとまた一層痛みが強くなる
ただでさえ、痛いの苦手なのに。
「……っ、…」
平衡感覚が取れなくなってテーブルを強く掴む
でも何故か、その手を無理矢理テーブルから離された
頭が痛くてチカチカと視界が定まらない。
それでも倒れるわけにはいかないとテーブルがあるであろう方に手を伸ばすとその上から手を包まれた
そのまま体が浮くような感じがする
「…っい、たい」
「見てれば分かる」
近くから聞こえるのは紘の声。
俺は今紘に抱きかかえられているのだろうか。
「病院行くぞ。
タクシー拾うから、そこまで移動な」
だから抱き上げられたのか。
痛む頭に紘の服を握りしめて耐える
……あー、何でこんなに痛いんだ。
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