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ちまちまとご飯を口の中に入れていく。
飽きた。
食べるの飽きた。
何度も箸をおいたり外を眺めたり、気を逸らしつつもゆっくり食べ進めていく
無駄に喉だけが乾いてスープが無くなる
中に入っていた豆腐やわかめ、玉ねぎだけがそのお椀に残っていて全く食べる気にならない
「んぅー」
誰にあてるでもないただの唸り声は病室に消えていく
……明日、学校が終わったら怜(れい)のとこ行こうかな…
俺のことを「りっちゃん」と呼んで犬を撫でるようにわしゃわしゃと撫でられたり抱きしめられたり、
「うさぎさんみたいなりっちゃんは寂しいと死んじゃうから添い寝してあげるね」
「よく噛んで食べないと喉に詰まっちゃうよ」
「お風呂は最低30秒数えて温まるんだよ」
などなど。
とにかく俺のことを何かの動物の赤ちゃんだと思ってるみたいな構い方をしてくるムカつく幼馴染だけど、面倒見がいいのは確かで、俺が不安になるとすぐに気づいてくれる。
俺が辛くて、今思えば割と引くくらいに病んでいた時、側にいてくれたのが怜だった。
相談だったり、泣き言を言ったことはないけれど、帰りたくなくて学校に遅くまで残ったり寄り道をしたりするといつも隣りに居てくれた。
表に出したつもりはないけれど、そんな俺のことを知っているからか、今でもたまに会いに行くと寝付けないと話し相手になってくれるし、いつも甘やかしてくれて、一緒にいる年数が長いからというだけではなく、そういうところも踏まえて一緒にいてリラックスできる数少ない人だ。
幼稚園から高校までずっと一緒で、今でも定期的に会う幼馴染。
篠崎怜(しのさきれい)
俺と接するときはバカ丸出しなのに実はとんでもなく頭が良くて弁護士をしている
幸い、明日学校に行けばその次の日は祝日で休みだし。
最近頭痛酷いし、夜もあんまり眠れないし。
………怜に甘やかされに行こう。
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